貼付
▷読み:ちょうふ
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、「貼付」は「はりつけること」と説明されています。正しい読み方は「ちょうふ」ですが、慣例的に「てんぷ」と読む場合もあります。しかし、「てんぷ」はあくまで一般的に浸透した読み方であって正式な読みではありません。また、「はっぷ」や「はりつけ」といった読み方も誤読です。
▷言葉の成り立ち
「貼付」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「貼」という字は、「はりつけること」を意味します。そして「付」は「つけること、わたすこと」という意味を持った字です。つまり「貼付」は文字通り「何かと何かを貼り付けること」を表していると言えます。日常的によく使われる言い回しは、「封筒に切手を貼付する」などです。
坩堝
▷読み:るつぼ
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、
1:「中に物質を入れて加熱し、加工をするための耐熱性の容器」
2:「熱狂的な興奮に沸いている状態」
3:「種々のものが混じり合っている状態や場所」
という3つの意味を持つ言葉として紹介されています。ちなみに、「かんか」というもう一つの読み方もあります。
▷言葉の成り立ち
「坩堝」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「坩」は「土器のつぼ」のことを指します。そして「堝」は「金属を溶かす時に用いられるつぼ」のことです。どちらの漢字も「耐熱性の容器」という意味を持っていることがわかります。「坩」と「堝」は漢字単位で「つぼ・るつぼ」と読むことができるため、「坩堝」という熟語は同じ意味・似た意味の漢字を組み合わせたものだと言えます。
産土
▷読み:うぶすな
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、「その人の生まれた土地」または「産土神の略」と説明されています。「先祖伝来もしくは自分の出生地」を表現する言葉が「産土」です。そして、その土地の鎮守社またはその祭神を守護神と信じて「産土神」と呼びます。
▷言葉の成り立ち
「産土」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「産」は「うまれること」を、「土」は「土地」を意味しています。「“産”まれた“土”地」で、「産土」(うぶすな)です。
文献にみられる「うぶすな」の表記は、「産砂」「生土」「産須那」など様々な種類があります。「うぶ」の語義は「産」(「生」)でいずれも解釈が一致していますが、「すな」については諸説あり、と言われています。
返戻
▷読み:へんれい
▷意味
『小学館デジタル大辞泉』では、「返したりもどしたりすること、返却」と説明されています。漢字からも想像できる通り、「預かったものを『返』して、元に『戻』す」という意味を持った言葉です。
「へんれい」と聞くと、葬儀で使用される「返礼」を思い浮かべる方が多いと思います。「礼」の漢字から分かるように、「返礼」は「贈り物に対するお返し・お礼」という意味合いを持ちます。そのため、預かりものを返す「返戻」とはニュアンスが異なります。
▷言葉の成り立ち
「返戻」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「返」は「かえすこと」を、「戻」は「もとにかえすこと」を意味します。つまり「返戻」は、似た意味の言葉を重ねてできた熟語だと言えます。
婉曲
▷読み:えんきょく
▷意味
漢字が「腕」に似ているため、どうしても「わんきょく」と読んでしまう方も多い「婉曲」。『小学館デジタル大辞泉』では、「言い回しが穏やかでかど立たないさま」と説明されています。「オブラートに包む」と同じニュアンスです。
「婉曲表現」は、人間関係を円滑に保つために、古来より日本人が好んで使ってきた表現の一つです。その意味で、この「婉曲」は我々日本人の精神文化にも関わる意味も備えてきたと言えます。
▷言葉の成り立ち
「婉曲」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「婉」は「遠回しに言うこと」を、「曲」は「まげること」を意味します。「婉」という字は、「美しい/しとやかで美しい/若々しく」などの意味も持ちます。そこからも、「婉曲」の言葉のニュアンスが伝わってきますね。
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いかがでしたでしょうか? 楽しんでいただけたでしょうか? 皆様の脳トレに少しでも役に立てれば、幸いでございます。
明日も総集編第3弾をご用意しておりますので、どうぞお楽しみください。
文・アニメーション/京都メディアライン
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