それでは、正解を発表します!
【クイズ1】
商品の宣伝や開店の案内などを印刷した、現代の宣伝用チラシにあたるものを、何といったでしょう?
(い)鑑札
(ろ)散紙
(は)伝単
(に)引札
正解(に)
引札の例としては、越後屋が駿河町に呉服店を出したときに配布した「現銀掛け値なし」の口上書が有名。その後、宝永(1704~11)頃から盛んになったといわれる。「引札」という言葉は18世紀中頃から一般化した。
【クイズ2】
広告媒体が限られた江戸時代、看板は商品や店の場所を示す重要な手段で、ひと目で商売の内容や扱っているものがわかるよう、さまざまな工夫が凝らされました。では、次の写真はどんな商売の看板でしょう?
(い)「船宿」(紐が川の流れを表わした)
(ろ)「筆屋」(筆先をシンボル化した)
(は)「質屋」(紐が「質流れ」を表わした)
(に)「居酒屋・飯屋」(縄暖簾が掛かっていた)
正解(は)
質屋は、江戸時代の地域金融を支える大切な職業であった。質屋が金を貸さないことがきっかけになり、一揆にまで発展することもあった。質屋の利息は天保期(1830~44)以降、1割2分と定められた。
質屋の看板は将棋の駒の形をしているものと、円筒の形をしているものとがある。
【クイズ3】
三井越後屋がおおいに繁盛するきっかけとなった売買方法に、「現銀掛け値なし」があります。では、次のうちこの売買方法にもっとも近いのは、どれでしょう?
(い)定価販売
(ろ)値引き販売
(は)代金後払い
(に)景品付き販売
正解(い)
「現銀掛け値なし」の売買方法は、三井高利が越後屋で元禄期(1688~1704)頃に始めた新商法。これは、代金を相対(話し合い)で決めていた商慣習のなかで、希望販売額に上乗せする掛け値を用いず、正価を表示し、値引きなしの現金で商品を売るという方法である。
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いかがでしたか? 2問目の正解率はなんと27%。かなり難しい問題でした。また次回をお楽しみに!
※問題の出典:『第4回 江戸検問題公式解説集』『第3回江戸文化歴史検定(2008年度)江戸検出題問題公式解説集』
取材・文/オノハルコ(晴レノ日スタヂオ)