自分の「骨」の健康についてなんらかの不安を感じ、背中や腰や関節などの症状や、骨密度の低下などを感じはじめているというサライ世代は、少なくないだろう。
健康な骨を作るための食生活を軸とした情報発信を通じ、効果的な骨作りを推進する「コツコツ骨ラボ」が、骨の健康に関する意識調査の結果を発表した。関東、関西の各エリアに住む30〜79歳の女性1000名を対象として、インターネットで行ったものだ。
その結果、骨の健康に「不安を感じている」と答えた人は対象者全体の約7割もいることが明らかになった。また、不安を感じ始めた年齢は平均47.8歳だということもわかった。
ところが、骨の健康のために「食事」「運動」「日光浴」などの対策を行っていると答えた人はわずか26%。つまり何らかの不安を感じながらも、多くの人が対策を行っていないことも判明したのだ。
その理由について、約4割は「対策の取り方がわからない」と回答し、約3割は「歳をとると、ある程度は仕方がない」と答えている。知識不足やあきらめが、気持ちを前に進ませないということで、残念な結果ではある。
なお、20代のころとくらべて身長が縮んだと感じている人は全体の半数を占め、60代では65.5%、70代では76.5%と、年代が上がるにつれてその傾向が強く見られる。そして、縮んだと感じる理由については、約7割の人が「年をとったため」と勘違いをしているのだという。実際には、2㎝以上の縮みは骨粗しょう症の疑いなど「年をとったせい」ではない可能性があるということなので、注意が必要だ。
実は、加齢しても、食事や運動などの生活スタイルによって骨の健康は改善することが可能なのだが、そのことを知らない人は実に約6割に及んでいる。
骨の健康に必要な栄養素と聞いて、すぐに思い浮かぶのは「カルシウム」だろう。実際、約9割が「カルシウム」と回答している。でも実際には、カルシウムだけではなく、ビタミンD・ビタミンK2と合わせた「骨のゴールデン・トライアングル」を日々の食生活の中で摂ることが重要なのだが、そのことについてはあまり知られていなかった。
このように、骨の健康に関する知識不足や間違った認識によって、改善できる対策がなされていない実態が明らかになってしまったのである。
たしかに骨は、明確な症状が表れにくいもの。これをきっかけに、「骨の健康」を意識したいところだ。
【参考リンク】
コツコツ骨ラボ
http://5252hone-lab.com
取材・文/印南敦史