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競馬界のレジェンド・武豊騎手に託した世界記録の夢(山本昌の健康・スポーツコラム 第12回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。月曜日は「健康・スポーツ」をテーマに、野球解説者の山本昌さんが執筆します。

文/山本昌(野球解説者)

野球解説者の山本昌です。夕刊サライ連載も残すところあと1回。3月の連載開始からあっと言う間すぎてまだ実感はないですが、習慣になってきたこの連載がなくなるのはなんだか寂しい気持がしています。

さて、前回は僕の思う「レジェンド像」をお伝えしました。今回は前回に続き、ご紹介したレジェンドの中のひとり、武豊さんについてお話します。

2017年1月に発売された『週刊ギャロップ』で武豊騎手との対談取材の時の写真。雑誌の表紙にもなった記念の写真です。(c)週刊Gallop

 

■互いに約束した“最後の時”の贈り物

前回のコラムで、レジェンドとは「世界を舞台に活躍をして、実績も認知度も兼ね備えている人」「誰からも好かれるキャラクター」「いわゆるカリスマ的な存在」という僕の考えをご紹介しましたが、競馬界でカリスマ騎手と言えばまさに武豊さんですよね。

彼との出会いは京都でした。プロ野球オープン戦で訪れていた時、晩ご飯を食べに訪れたお店で偶然遭遇したのですが、この日がたまたま彼の誕生日だったんです。僕は現役時代、馬券は買っていなかったものの競馬は好きでしたので、もちろん彼のことは知っていました。話をしてみると気さくで、あっという間に意気投合をし、そのままカラオケに行って盛り上がったくらいです。そこから現在に至るまで、親交を深めています。

僕たちの間にはお互いが引退をした時に記念の品を贈ろうという約束がありました。僕が先に現役を引退しましたが、最終登板となった引退試合で使用したグラブを彼にプレゼントしました。彼は今も大切に持ってくれています。彼が引退をする時には最終レースの鞭を僕がもらい受ける約束をしています。
もちろん楽しみではありますが、まだまだ先になってくれるようにと願っています。

関西テレビ「競馬BEAT」で京都競馬場に行った時の写真です。昨年(2017年)の菊花賞で、一口馬主をしている愛馬アルアインが出走したのですが、残念ながら7着でした。

 

■記録更新、樹立に向けて、頑張れ、豊!

僕がいうまでもなく、彼の騎手としての技術や馬に対する察知能力は天下一品です。競馬がギャンブルではなくスポーツであるという感覚を広め、さらに先頭に立って競馬界全体を引っ張り、世間の認知を底上げしました。これこそ大いなる偉業、まさにレジェンドの称号にふさわしい活躍だといえますよね。

さらに、彼のすごさは自分自身に対するストイックさにもあると思います。
このコラムの3回目で、僕が現役時代に体重を健康のバロメーターとして重視していたお話をしましたが、競馬の騎手は野球選手以上に体重管理を厳密にしています。武騎手は身長170cmと騎手の中では背が高いほうですから、長年にわたり、体のバランスを取りながら体重を管理し続けているのは本当に大変なことだと思います。日々競馬に対して真摯に向き合う姿勢には尊敬の念しかありません。

僕は最年長勝利投手の世界記録まで、あと一歩のところで届きませんでした(メジャーリーグの記録はジェイミー・モイヤー投手の49歳5か月で、僕の最後の勝利は49歳0か月でした)。僕は50歳で現役を引退しましたが、彼も今年で49歳。ベテランとしていろいろな記録更新、樹立がかかっています。G1全レース制覇まではあと2つ、そしてG1勝利年齢世界記録もかかっています。ここまで頑張ったからには、ぜひその記録を達成してほしいですし、僕ができなかった夢を彼に託したいです。

豊、これからも競馬界を引っ張っていってくれよ! そして、たくさんの競馬ファンに感動と夢を届けてくれな!!

文/山本昌(やまもと・まさ)
昭和40年、神奈川県生まれ。野球解説者。32年間、中日ドラゴンズの投手として活躍し、平成27年に引退。近著に『山本昌という生き方』(小学館刊)。

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