朝起きても体が重く、手足が冷たくて動くのがつらい。夜は眠りが浅く、なんとなく気力が出ない。そんな不調を感じていませんか。年齢のせいだと思っていても、実は体のエネルギーと血のめぐりが不足しているサインかもしれません。

冷えやだるさ、食欲の低下、顔色の悪さなどは、体を温める力と全身に血を巡らせる力が弱まっている状態です。漢方ではこのような状態を「気血両虚(きけつりょうきょ)」と呼び、体を支える気(エネルギー)と血(栄養)がともに不足していると考えます。現代では、忙しさやストレス、睡眠不足、食生活の乱れなどが重なり、冷え性を感じる女性が増えています。

そんな体の内側から温め、弱った力を補ってくれるのが、人参養栄湯(にんじんようえいとう)です。古くから体の底力を支える処方として知られ、虚弱体質で冷えや疲れを感じやすい人の回復を助けます。

なぜ冷え性になるの?

冷え性というと「血行が悪い」と思われがちですが、根本には体を温めるエネルギーが足りないという問題があります。気の不足(気虚)は、体を動かす力そのものが弱まり、冷えや疲労感を引き起こします。血の不足(血虚)は、全身に十分な栄養が行き渡らず、手足や顔が冷たくなります。この二つが同時に起こると、いつも体が冷え、疲れやすく、肌や髪のツヤまで失われてしまうのです。

こうした状態を放っておくと、貧血傾向やめまい、動悸、月経不順などの不調が現れることもあります。特に女性はホルモンバランスの変化により血のめぐりが乱れやすく、冷え性が慢性化しやすいといわれています。

人参養栄湯はどんな方におすすめ?

人参養栄湯は、体力が低下していて冷えや疲れが強い方に適した処方です。人参や黄耆が体を温めるエネルギー(気)を補い、当帰や芍薬が血を養って全身に温もりを届けます。さらに桂皮や甘草などが加わり、胃腸を整えながら自然に体を立て直していくのが特徴です。

似た処方に「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」がありますが、人参養栄湯はより虚弱な体質にもやさしく、冷えが強い方や体力が落ちている方にも使いやすいとされています。風邪をひきやすい、疲れが抜けない、食欲がわかないといった悩みを抱えている方にもぴったりです。

人参養栄湯とあわせて行いたいセルフケア

漢方の効果をより引き出すには、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。朝は白湯をゆっくり飲んで体を温め、冷えた胃腸をやさしく起こしましょう。日中は肉や魚、豆製品などのたんぱく質をしっかりと摂り、体をつくる材料を補います。

また、軽い運動を習慣にすると血のめぐりが良くなります。ウォーキングやストレッチのように、無理なく続けられる動きを取り入れるのがおすすめです。足元の冷えを防ぐために靴下やレッグウォーマーで保温し、夜はシャワーで済ませず湯船につかることも大切です。特に腰やお腹をじんわり温めることで、自律神経のバランスも整い、眠りの質が高まります。

小さな温め習慣の積み重ねが、冷えの根本的な改善につながります。

副作用はある? 安心して服用するには

人参養栄湯は比較的穏やかな処方で、副作用の少ない漢方薬とされています。ただし、体質や体調によってはまれに胃の不快感や発疹などが出ることがあります。医師や薬剤師に自分の体質を相談したうえで服用することが大切です。特に他の薬やサプリメントを併用している場合は、成分の重なりがないかを確認しておきましょう。体調や季節によって必要量が変わることもあるため、自己判断で増減させるより、専門家と相談しながら続けるのが安心です。

【専門家による体質チェックもできる「あんしん漢方」】
オンラインで相談・処方が可能な「あんしん漢方」では、体質に合わせて最適な冷え性改善の漢方薬を提案してもらえます。自宅にいながら専門家のアドバイスを受けられるため、初めて漢方を試す方にもおすすめです。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0279&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=251101

内側から温めて、冷えない私に

冷えは体からのSOSです。いつの間にかエネルギーも血も不足しているサインかもしれません。人参養栄湯は、そんな体をやさしく支え、内側から温もりと活力を取り戻してくれる処方です。季節や年齢に関係なく、冷えを感じたときこそ自分の体をいたわるタイミング。今日から少しずつ、体の声に耳を傾けてみましょう。温かさとともに、前向きな気持ちもきっと戻ってくるはずです。

この記事の監修者

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0279&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=251101

イラスト:にゃたり

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2025年
12月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店