
最近、「朝起きると体がこわばって動きにくい」「長時間座ったあとに立ち上がると体が硬い」と感じることはありませんか?
年齢を重ねると誰にでも起こり得る症状ですが、放っておくと日常生活に支障をきたしたり、病気が隠れていたりする場合もあります。
今回は「筋肉のこわばり」に注目し、その原因や注意すべきサイン、さらに日常でできるセルフケア方法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の研究にも携わる碇 純子さんに伺います。
Q.最近、体がこわばって動かしにくいことがあります。年齢のせいでしょうか?

年齢を重ねると「体が硬くなった」「朝起きたときに動きにくい」と感じる方が増えてきます。
これは単に年齢のせいだけではなく、いくつかの要因が重なって起こるものです。
1.加齢による筋肉・関節の変化
年齢とともに筋肉量は少しずつ減り、柔軟性も低下します。そのため、関節の可動域が狭まり、筋肉が張ったように感じたり、動きにくさが出やすくなったりします。
2.ホルモンバランスの変化
とくに女性は更年期にエストロゲンが減少することで血流が悪くなり、筋肉のこわばりや関節の違和感を感じやすくなります。
3.ストレス・睡眠不足・運動不足
自律神経の乱れや血流の滞りも、筋肉を緊張させる原因です。長時間同じ姿勢でいる生活習慣も、こわばりを悪化させます。
「年齢のせい」で片づけないで! 他の疾患の可能性も

筋肉のこわばりは加齢による自然な変化であることも多いですが、なかには病気が隠れていることもあります。
チェックしてみましょう。
□ 朝起きたときに強いこわばりが続く
□ 手足の関節に痛みや腫れがある
□ 指がこわばって、動かしにくい
□ 全身のだるさや疲労感が強い
□ 冷えるととくに症状が悪化する
これらに複数当てはまる場合は、関節リウマチやパーキンソン病、甲状腺疾患などの可能性も考えられます。自己判断せず、早めに整形外科や内科を受診することが大切です。
更年期世代におすすめの“筋肉”セルフケア

病気でなければ、日常生活の工夫でこわばりをやわらげることが可能です。
1.ストレッチやヨガ
軽く体を伸ばす習慣は、血流を促進し筋肉を柔らかく保つのに役立ちます。
2.有酸素運動やウォーキング
無理のない運動で全身の循環をよくし、筋肉の緊張をやわらげます。
3.温める習慣
入浴や蒸しタオルで温めると筋肉がほぐれやすくなり、こわばりの改善につながります。
4.バランスのよい食事と漢方の活用
筋肉や神経に必要なタンパク質、ビタミンB群、マグネシウムを意識的に摂取しましょう。更年期世代では、冷えや血流改善をサポートする漢方を取り入れるのも有効です。
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筋肉のこわばりも「心と体」のケアから

「年齢だから仕方ない」と諦める前に、まずは生活習慣を見直してみましょう。
運動・睡眠・食事を整えるだけでも、筋肉の柔軟性は保てます。心身の変化に耳を傾け、できることから少しずつ取り入れていくことで、体はきっと応えてくれるはずです。
<この記事の監修者>

碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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イラスト:にゃたり
