文/満尾正

新型コロナウイルス感染症など、さまざまな病気に負けないための「免疫力」は、日々の食事や生活習慣の改善によって、大幅に高めることができるそうです。しかし、巷に溢れる健康や免疫力に関する知識は刻一刻とアップデートされ、間違った情報や古びてしまったものも少なくありません。コロナ禍の今、本当に現代人が知っておくべき知識とは何でしょうか。著書『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ究極の「健康資産」の作り方』が話題の満尾正医師が解説します。

私は救急救命医だった頃に、いろいろな人を見てきました。事故ではなく、病気で担ぎ込まれてくる人のなかには、明らかにライフスタイルに問題があって、その結果として救急車のお世話になるような大病に襲われた人もいました。

たとえば、アルコールの大量摂取を続けて肝硬変になった人が、大量吐血して運ばれてきたこともありました。

肝硬変になると静脈の流れが変わって食道に静脈瘤という瘤ができ、それが破裂してしまうのです。こうなると命の危険性はかなり高くなります。

糖尿病の合併症で足に壊疽を起こしている人もいました。足を切断しても、毒素が回って結局、亡くなったケースもあります。

そういう人たちも、かつては健康な体を持っていたのです。

手術で開胸すると、タバコを吸っている患者さんの肺の中は真っ黒です。しかし、本人にはひどいことになっているという自覚はありません。

誰もが壮年期にさしかかる頃になると、1つの重要な岐路に立たされます。それは「健康地図」の岐路です。

その後、年老いるまで、健康で快適な人生を過ごし続けられるか、もしくは不健康で病気と付き合いながら生きていかねばならなくなるか。 

どちらの方向へ進めるかは、日々の過ごし方、なかでも食事が決めることなのです。

満尾正(みつお・ただし)/米国先端医療学会理事、医学博士。1957年横浜生まれ。北海道大学医学部卒業後、内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療の現場などに従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、日本で初めてのアンチエイジング専門病院「満尾クリニック」を開設。米国アンチエイジング学会(A4M)認定医(日本人初)、米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医の資格を併せ持つ、唯一の日本人医師。著書に『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ「究極の健康資産」の作り方』(小学館)など。

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