日本人の約8割が「疲れている」と回答するなど、疲労は現代的な“国民病”と言われます。仕事や人間関係のストレス、運動や睡眠の不足、スマートフォンへの依存など、様々な原因が指摘されますが、医学的に間違った「食事のあり方」を問題視するのが牧田善二医師です。新著『疲れない体をつくるための最高の食事術』が話題の牧田医師が解説します。

解説 牧田善二(まきたぜんじ)さん(糖尿病・アンチエイジング専門医)

昭和26年、北海道生まれ。北海道大学医学部卒業。久留米大学医学部教授などを経て、平成15年、糖尿病などの生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を開業。

疲労回復をカフェインに頼らない

2015年、一人の男性の死が人々の関心を引きました。まだ20代の若さだったその男性の死因が、エナジードリンクの過剰摂取にあったからです。

シフトワーカー(交替制勤務)だった男性は、深夜勤務時の眠気覚ましにエナジードリンクを多飲し、急性カフェイン中毒を発症して亡くなってしまったのです。

急性カフェイン中毒になると、呼吸数や脈拍が増加し、めまい、震え、吐き気などに襲われ、最悪の場合、死に至ります。

しかし、それを知らず、「疲労回復のため」に愛飲している人が多く見受けられることを、私は憂慮しています。

そもそも、エナジードリンクが根本的な疲労の原因を解消するものではないと、みなさんわかっているはずです。「でも、短期的には効くんだ」「今、この場をしのぎたいんだ」と思うから飲んでいるわけです。

しかし、一瞬シャキッとした感じが得られるのは、なにか素晴らしい栄養素のおかげではなく、そこに含まれるカフェインと砂糖のせいです。

砂糖が溶け込んだ液体を口にすれば、一気に血糖値が上がります。血糖値が上がると、一時的な高揚感に包まれるため、あたかも疲れが取れたような錯覚を起こすのです。

そして、一気に上がった血糖値は一気に下がります。

そこで現れるのは、さらなる疲労感、眠気、あらゆる不快感です。そのため、またエナジードリンクに頼ってしまうわけです。

先の男性も、この負のスパイラルに陥っていたと思われます。

慢性疲労から脱却したいなら、エナジードリンクに頼るのではなく、一刻も早く飲むのをやめることです。

甘い缶コーヒーや清涼飲料水も同様です。もし、「疲れたときにこれが効く!」と感じる飲み物があったなら、それを大いに疑ってみてください。

***

世界最新の医学的データと20年の臨床経験から考案『疲れない体をつくる最高の食事術』

現代人の疲れは過労やストレスではなく、「食」にこそ大きな原因がある。誤った知識に基づく食事は慢性疲労ばかりか、肥満や老化、病気をも呼び込む。健康長寿にも繋がる「ミラクルフード」の数々を、最新医学データや臨床経験を交えながら、具体的かつ平易に解説している。

『疲れない体をつくる最高の食事術』
牧田善二/著 四六判208ページ 小学館刊 1650円(税込)

 

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