健康

疲れやだるさが抜けないときに試したい「十全大補湯」【薬剤師が教える漢方薬辞典】

健康

2024/5/8

ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など「そもそも漢方ってどんなもの？」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。

今回のテーマは「十全大補湯（じゅうぜんたいほとう）」です。あんしん漢方（オンラインAI漢方）薬剤師である碇純子さんに教えてもらいました。

十全大補湯はどんな人におすすめ？

十全大補湯がどのような人におすすめなのか解説します。

１．体力の低下と貧血に悩んでいる人

十全大補湯は、慢性的に続く疲労や病後の体力低下がある人におすすめの漢方薬です。体力低下に加えて貧血がある場合に多く使用されます。体に必要なエネルギーや栄養を補う生薬が含まれており、全身の機能を高め、体力を回復させる効果があります。

２．自律神経の乱れに悩んでいる人

十全大補湯は、自律神経の乱れを整える効果のある漢方薬です。気力や体力が低下するとストレスに弱くなってしまいますが、十全大補湯は体に必要なエネルギーや栄養を補い、血流をよくして、乱れた自律神経のバランスを整える効果が期待できます。

３．冷えに悩んでいる人

十全大補湯は熱を作り出すエネルギーと体に必要な栄養が不足している人の冷えにもおすすめの漢方薬です。病気や加齢・疲労の蓄積などでの消耗を補い、熱を作り出すエネルギーを取り戻し、血流もよくして冷えを改善する効果があります。

４．更年期障害による疲労感や倦怠感に悩んでいる人

十全大補湯は、虚弱体質で更年期障害による食欲低下やだるさ、疲労感に悩んでいる人におすすめの漢方薬です。自律神経やホルモンのバランスを整えて更年期障害の症状を緩和するとともに、胃腸の働きを高め、気力・体力を補うことで、疲労感や倦怠感を改善する効果があります。

十全大補湯とは？

十全大補湯とはどのような漢方薬なのか、効能・効果や基本の飲み方を解説します。

1．効能・効果

十全大補湯は、体力が虚弱な人の、病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、寝汗、手足の冷え、貧血の改善・緩和に効果があります。

様々な原因によって衰えた体に活力を与え、滋養します。

2．基本の飲み方

通常、十全大補湯は食前（食事の約30分前）もしくは食間（食事から約２時間後の空腹時）に水やぬるま湯で服用します。

飲み忘れた場合は２回分以上をまとめて服用することは避けてください。飲み忘れに気付いた時点で１回分を飲み、次の服用までは１日３回の場合は４時間以上、１日２回の場合は６時間以上、間隔を空けるようにしてください。

十全大補湯に副作用はある？　安心して服用するには

一般的に、漢方薬は西洋薬と比べて副作用は少ないと言われていますが、十全大補湯の服用で、胃の不快感やもたれ、食欲不振、吐き気などが見られる場合があります。

めったにありませんが、甘草の大量服用によって「偽アルドステロン症」と呼ばれる重篤な副作用を発症することもあります。市販薬の一部と漢方薬の多くには甘草が配合されているため、別の薬と併用する場合は、薬剤師や登録販売者に相談してください。

また、こちらもめったに起きませんが、重い副作用として「肝機能障害」を起こすこともあります。強い倦怠感や吐き気、発熱、黄疸が見られたら直ちに使用を中止し、医師の診察を受けてください。

その他の副作用として、発疹や発赤、かゆみといった皮膚症状があらわれる場合もあります。

漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は効果が出ないだけでなく、思わぬ副作用が起こることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師や薬剤師などに相談するといいでしょう。

「お手頃価格で不調を改善したい」という方には、医薬品の漢方薬がおすすめです。スマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。

AI（人工知能）を活用した「オンライン個別相談」サービスがあり、漢方のプロが体質に合った漢方薬を見極めてくれるだけでなく、自宅まで郵送してくれるため、忙しくて時間のない方にとても便利です。

●あんしん漢方：https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0198

貧血を伴う疲労には十全大補湯！

十全大補湯は、貧血を伴う疲労や体力の低下がある人に向いています。他にも、冷えや自律神経の乱れ、更年期障害の疲労感などにも効果があるため、幅広く活用できます。ただし、体質に合わない人が使用すると副作用を起こしやすかったり、何より効果が見られなかったりするため、漢方の専門家に相談してから使用しましょう。

＜この記事を書いた人＞