ドラッグストアでよく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方に精通した薬剤師にわかりやすく解説してもらいます。第86回のテーマは、「 五虎湯(ごことう)」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。

五虎湯とは?

まずは、五虎湯の効能・効果や基本的な飲み方をご紹介します。

1.効能・効果

五虎湯とは、咳や気管支ぜんそくに用いられる漢方薬です。痰をなくして咳を止める「去痰(きょたん)・止咳(しがい)」作用のほか、体にこもった熱を取り除く「清熱(せいねつ)」作用をもっています。

五虎湯は、かぜによる激しい咳や、気管支ぜんそくなどの症状に効果的です。また、清熱作用が気管や気管支の炎症を鎮めるため、気管支炎に使われることもあります。

2.基本の飲み方

五虎湯は基本的に、食前(食事の約30分前)か食間(食後から約2時間後)の胃に食べ物が入っていないときに飲みます。水の量が少ないと薬剤が溶けるのに時間がかかるため、コップ1杯程度の水で飲むのがおすすめです。

もし飲み忘れてしまったときは、食前・食間にこだわらず、気がついた時点ですぐに1回分を服用します。飲み忘れても次の服用のときに、一度に2回分をまとめて飲むのはやめましょう。

1か月程度(かぜの場合、5~6日程度)服用しても改善がみられない場合は、医師や薬剤師に相談してください。

五虎湯はどんな人におすすめ?

五虎湯は、顔を赤くしてせきこむような咳が出るときや気管支ぜんそくの人に向いています。しかし、体力が落ちていたり胃の調子が悪かったりする人には向いていません。

そのほかに五虎湯はどんな人にが向いているのか、具体例を3つご紹介します。

1.黄色い痰や発熱を伴う咳をしている人

黄色い痰や発熱を伴った激しい咳が出るときは、体に熱がこもっているサインです。
五虎湯は、清熱作用により体の余分な熱を取り除き、症状の改善に働きかけます。

咳に効く漢方薬はいくつかありますが、黄色く粘度が高い痰や発熱が伴う咳は「五虎湯」、発熱がなく、から咳や痰が切れにくい咳が出る場合は「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」と使い分けましょう。

2.気管支ぜんそくの人

五虎湯には、気管支を広げ呼吸を楽にしたり炎症を抑えたりする生薬が含まれているため、気管支ぜんそくの人にも用いられます。

小児ぜんそくにも使われますが、お子様は年齢によって服用量が変わります。購入する際は医師や薬剤師に相談し、服用前には添付文書をよく読みましょう。

3.かぜ薬で眠くなると困る人

五虎湯は眠くなる成分が配合されていないため、薬を服用して眠気が出ると困る人に向いています。

眠くならないかぜ薬は葛根湯が有名ですが、黄色い痰がからみ、咳が強くでている場合には五虎湯を用いるといいでしょう。

ただし、体調不良のときに無理は禁物です。なるべく休むことも心がけましょう。

五虎湯に副作用はある? 安心して服用するには

五虎湯のような漢方薬は、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。しかし、絶対に副作用が起こらないわけではありません。たとえば、五虎湯の副作用として、発疹や発赤、かゆみ、吐き気、食欲不振、胃部不快感などの症状が報告されています。

まれに、偽アルドステロン症やミオパチーなどの重篤な副作用が起こることもあります。手足のだるさやしびれ、こわばりなどの異変を感じたときは、すぐに医療機関を受診しましょう。

副作用リスクを低くするには、ご自身の体質に合った漢方薬を選ぶことが大切です。必ず、漢方医学を学んだ医師や薬剤師など、専門家のアドバイスを聞きましょう。

「漢方薬局はハードルが高い」「気軽に専門家のアドバイスを聞けるサービスはないの?」という人には、スマホひとつで診断から漢方薬の処方、購入まですべて完結するあんしん漢方のようなオンライン漢方サービスがおすすめです。

AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」では、漢方のプロが体質に合った漢方を見極めてくれ、漢方薬はお手頃価格で自宅まで届きます。忙しい人も、手軽に利用しやすいサービスです。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0162

激しい咳には五虎湯がおすすめ

今回は、五虎湯をご紹介しました。五虎湯は、黄色い痰や発熱が伴う咳や気管支ぜんそくに効く漢方薬です。

漢方薬は効果・効能が幅広いのも魅力のひとつです。ただし、効果を実感するためには、漢方の専門家にご自身の体質や症状に合った漢方薬を選んでもらい、正しく服用しましょう。

さて、次回は「喉が痛いときに『銀翹散(ぎんぎょうさん)』」です。ぜひご覧ください!

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0162
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/channel/UC7XLi90xVGs_NnKhowC0G2w

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2024年
5月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店