文/鈴木拓也

現代医療が見落としている呼吸の問題

冷え性や肩コリといった、多くの人が経験するちょっとした不調。
「病院に行くほどではない」と判断して、そのまま我慢している人が大半ではないだろうか。
もしかするとその不調、「浅い呼吸」がもたらしている可能性がある――そう指摘するのは一義流気功治療院の小池義孝院長だ。
これまで、現代医療で行き詰まった人たちを快方に向かわせてきた小池院長だが、新著『大きく息をするだけで健康になる』(自由国民社)の中で次のように記している。

私は職業がら、多くの不健康な人たちを見てきています。その中で、元気がない、体が弱っている、顔色など血色が悪い、頻繁に風邪を引く、冷えている、慢性的なコリや痛みがある、背骨が曲がるなど歪みがある、といった状態の方は、総じて浅い傾向があります。

また、あきらかな病気に罹るのも、長年の浅い呼吸がかかわっていることが多いという。
ところが、「現代医療の現場では、呼吸の浅さについては無頓着。信じられない程に、注意を向けられていません」と、小池院長は警鐘を鳴らす。

その1例として、入院先に出張施術で赴いたときの話を打ち明けている。その患者は、息も絶え絶えで、「全身がどす黒い紫色」になっていた。
酸欠によるチアノーゼであると小池院長は見たが、血中酸素濃度に異常はないという理由で、入院していながら何の措置もされていなかったという。
小池院長は、患者のガチガチに固くなった上半身を緩める施術を行ったところ、呼吸の動きが大きくなり、チアノーゼから回復したそうだ。

正しい肺の大きさを認識するだけで呼吸は変わる

上の例で見たように、呼吸の浅い深いだけで、人の健康は左右される。
言い換えれば、しっかりとした深い呼吸を習慣づけるだけで、「正の連鎖が引き起こされ、様々な不調が整います」と、小池院長は断言する。そして、浅い呼吸となってしまう主な理由として、「加齢と運動不足」を挙げる。ほかにも肺の大きさを間違ってイメージしているとか、ストレスや不安を抱えているといった要因も、浅い呼吸につながるという。

こうした要因をふまえ、小池院長はいくつかのセルフケアを本書の中で紹介している。その1つが、「肺の場所と大きさを、正しく知ろう」だ。
みなさんは、自分の肺の大きさをどのくらいだと認識しているだろうか?

この質問をすると、大概の人は、以下のイラストのようなイメージをしていることがわかる。

多くの人が思っている肺の大きさ

実は、実際の肺はイメージしているよりもずっと大きい。

実際の肺の大きさ


日頃のイメージ(小さい肺)で呼吸していると、自然と浅い呼吸になるという……信じられないと思うかもしれない。しかし、今このイラストを見て、「本当の肺の大きさと形に焦点が当たった時点で、実は既に、貴方の呼吸は変わっています」と、小池院長は説く。

小さい肺のイメージでは、胸が前後に動くだけだが、大きな(正確な)肺をイメージしながら呼吸すると「全方向に風船が膨らむように」動くことが実感できるはずだ。このイメージでの呼吸を、思いついたときに折にふれて行うことで、呼吸は変わってくる(ここでは割愛するが、さらに精度を高めたやり方が本書に書かれている)。

「本当の首の付け根」を知り呼吸を改善する

次は一歩進んで、イメージにストレッチを加えた方法を1つ紹介。
まずは、以下のイラストを見てみよう。ほとんどの人は、「首の付け根」といわれてイメージするのは、首と両肩の境目あたり(下図A)になると思う。しかし、首を動かす筋肉はもっと下にあり、そこが「本当の首の付け根」(下図B)である。

「本当の首の付け根」を認識すると、首の据わり、動きが各段に良くなるのがわかるはずだ。
この認識のまま、首をゆっくりと左右のどちらか限界までねじる(肩は水平にして動かさない)。ねじり切ったら、肺の上側の大きさと形を立体で意識する。

次にそのままの姿勢で、肺の上部を膨らませるように意識して、ゆっくりと限界まで空気を吸う。これ以上は吸えない限界まで達したら、ゆっくりと吐き切る。

これを2、3回繰り返したら、次は首を反対側にねじり同じことをする。これで1セット。1セットだけでも効果はあるが、3セットくらいまでは効果が上積みされるとのこと。終わったら通常の呼吸に戻り、呼吸の変化を体感しよう。深い呼吸になったことがわかるはずだ。

*  * *

上で取り上げたほかに、本書には深い呼吸になれる数々のメソッドが掲載されている。その効果のほどは折り紙付きだ。自分の不調の原因が、浅い呼吸にあるのではないかと思っていたら、実践してみるとよいだろう。

【今日の健康に良い1冊】
『大きく息をするだけで健康になる』


小池義孝著
自由国民社

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文/鈴木拓也 老舗翻訳会社役員を退任後、フリーライター兼ボードゲーム制作者となる。趣味は神社仏閣・秘境巡りで、撮った映像をYouTube(Mystical Places in Japan)に掲載している。

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