とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなったり、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの?など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい!どうすれば根本解消できるの?
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第27回のテーマは、「ストレス太り」です。あんしん漢方の監修医である木村好珠先生に教えてもらいました。
1.若い頃はスリムだった私が…ストレス太りで悩まされる毎日
恵子さん(仮名) 51歳女性、主婦の方からご質問を頂きました。
「最近、太りやすくなってしまい悩んでいます。若い頃は体重の増加に悩んだことがなかったので、余計に困惑しています。10代の頃、思春期の太りやすくなる時期に周囲の同級生から『恵子はいいね、太りにくい体質で』と羨ましがられていたのに…。
とくに昔から運動が好きな方で、体型もずっとスリムさをキープしていたんです。食事の量もそこまで変化しているわけでもありません。でもお腹の肉も明らかに目立ってきたし、スマホで自撮りしたら『えっ、私こんな見た目なの?』と自分の二重アゴに驚いてしまいました。
鏡で改めて自分の首元を確認すると、二重アゴが気持ち悪いほどたるんでいてショックを受けました。気づかないうちにアゴ下にまでこんなに脂肪が付いていたのかと、愕然としたのです。
明確な原因も分からず友人に相談したら『ストレス太りじゃない?』といわれてハッとしました。そういえば最近、夫との口ゲンカが増えた気がする…。最近は、テレワークで家にいることが多くなった夫と衝突することが度々ありました。
痩せたいと思えば思うほど、それがさらにストレスになってしまい途方に暮れています。私はどうすればいいのでしょうか」
ご質問ありがとうございます。
急な体型の変化はつらいですよね。ストレス太りは更年期女性にみられる悩みのひとつです。単に加齢というだけでなく、女性特有のからだの変化も影響しています。
2.ストレス太りは更年期が原因!
更年期に太りやすくなる理由は、ホルモンの乱れといわれています。現代の医学ではまだ完全に解明されていない部分もあるのですが、女性ホルモンが乱れ、エストロゲンの分泌が少なくなると、内臓脂肪を溜め込みやすい体質になってしまいます。
「昔から食べる量は変わらない」という場合も、年齢を重ねていくうちに筋力も落ちていき、基礎代謝量が低下すれば太る原因になります。若い頃は基礎代謝も高いため、燃料をどんどん消費していけますが、加齢や閉経などが原因で、基礎代謝や体質が変化すると、若い頃と同じ量を食べていると、消費できなかった分の燃料が余ってしまいます。それが脂肪になってしまうのです。
また、更年期のホルモンバランスの変化は、セロトニンという神経伝達物質の生成にも影響を及ぼします。セロトニンが低下すると、イライラする、不安感が強くなるなど、感情が上手くコントロールできなくなり、ストレスが溜まりやすくなります。そういったストレスを食欲解消で満たそうすることも、もちろんよくありません。スイーツやスナック菓子など、カロリーが高いものを過剰に食べてしまう「やけ食い」もストレス太りの原因のひとつです。
3.ストレス太り改善に役立つ3つの方法
更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。 効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。
ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。
3-1.有酸素運動を行う
運動は単純明快かつ効果的なストレス太り対処法のひとつです。とくに有酸素運動を意識して行うことで、内臓脂肪を減らし健康的なからだに近づけます。代表的な有酸素運動としてはウォーキングがおすすめです。運動自体をストレスにしないためには、いきなり激しい運動をしすぎないことがポイント。お買い物をする時に1軒となりのスーパーに遠出してみるなど、身近なことから始めると長続きしやすくなります。
運動に慣れてきたら徐々にジョキングやサイクリングなど、カロリー消費の多い有酸素運動に切り替えていくこともおすすめです。ジムで黙々と運動するよりも、ジョギングやサイクリングは見える景色が変わるので、気分転換もしやすいというメリットがあります。
3-2.バランスの良い食事を心がける
私たちのからだそのものを作る「食」もストレス太りにおいて改善する要素です。女性ホルモン(エストロゲン)の代わりになる大豆イソフラボンを含む豆乳は更年期の女性に摂取してもらいたい食品のひとつ。豆腐や納豆、油揚げなど、大豆は日本人の食生活とも相性がよく、摂取しやすい食材ともいえます。
また、不飽和脂肪酸EPAが多く含まれる青魚もおすすめ食のひとつ。EPAはイライラなどの精神不安に作用し、肌を潤わせる美容効果などいいことづくめな働きをする必須脂肪酸です。体内ではほとんど作ることができず、食事から摂取する必要があります。
3-3.ストレス太りにおすすめの漢方薬
「いったんよくなっても、またすぐに同じ症状をぶり返してしまう」「体質から根本の改善を目指したい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方薬は、脂肪太り、水太り、ストレスでの肥満などの症状に効果が認められています。
漢方は、人間のからだの営みに即した自然の摂理を利用した治療法です。自然の恵みである動植物や鉱物の有効成分を見出して、それを人間の心身の症状の改善に役立てるために、長い歴史を経て、実際に効果のある様々な処方を確立してきました。そのため、一般的に、西洋薬よりも副作用は少ないといわれております。
そして漢方は、表面に出ている症状や苦痛を緩和する対症療法だけでなく、不調の原因となっている体質を改善することを目的に働きますので、根本的な解決につながります。ですので、同じ症状を繰り返したくないという思いにも応えてくれます。
バランスの良い食事や適度な運動を実践するのは難しい…という場合も、漢方薬なら、ご自身の症状や体質に合うものを毎日飲むだけですので、無理せず継続することが可能です。
以下に、ストレス太りに悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
<ストレス太りに悩む女性におすすめの漢方薬>
脂質代謝を改善し、余分な脂肪を減らす効果があります。また、便秘などに悩む方にも用いられる漢方薬です。
・脂肪太りや便秘がちな方に:防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
脂質代謝機能を改善し、余計な脂肪を減らします。からだの巡りをよくして水分代謝や血流を改善し、不要なものを排出する働きがあります。
・むくみが気になる方:防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水分代謝を改善し、むくみをとり、肥満症の方に用いられる漢方薬です。疲れやすくむくみやすい方に向いています。
ただ、漢方薬はその人の体質に合っていてこそ効果が現れるものです。体質に合っていないと、効果が見込めないだけでなく、副作用がおきることもあります。自分に合う漢方薬を選ぶのはなかなか難しいものですが、最近では、あんしん漢方のようなAIを利用した「オンラインA I漢方」などのサービスも充実してきましたので、こうした専門的なサービスを利用するのもいいでしょう。
4.ストレス太りを解消して理想体型に!
更年期を迎えると、からだには様々な変化が起きますが、体型の変化は最も目立ち、なおかつ女性にとって大きな悩みです。ストレス太りともなると、その悩み自体がさらにストレスを生むという悪循環に陥ってしまいます。
しかし、ホルモンバランスの改善を目指し、今回紹介した対処法や、からだに合った漢方薬を使えば、ストレス太りも解消され健康的な体型を目指せます。「更年期だから」とネガティブになって諦めずに、ポジティブな考えで本来のあなたをとり戻しましょう!
<この記事を書いた人>
精神科医/漢方医 木村好珠
渋谷金王坂クリニック非常勤医、一般社団法人国際統合治療協会理事
医学部在学中より東洋医学を学び、精神科と東洋医学科が充実している慶応義塾大学病院での勤務を経て、西洋薬の即効性等と漢方薬の根本的な治療をバランスよく使い分ける事を信条とする。
渋谷の漢方内科で非常勤医として勤務する傍ら、テレビや雑誌、インターネットテレビ、Webメディアなどで、精神疾患、心理学、生活習慣病など様々なテーマを精神科医・漢方医の立場で解説も行う。
・木村好珠監修あんしん漢方: https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0027
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