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④よく溶いた卵の中に鴨肉を入れて混ぜ、好みの分量を炊きたてのご飯にかける。最後に鴨の煮汁を適量かけて味を調え、小口切りにした長葱を加えれば完成。

《いまも私は、大石内蔵助(おおいし・くらのすけ)が食べたようにして間鴨(あいがも)と生卵を食べる。だれにでもできるし、なかなかにうまい。ただし、飯が、ほんとうの炊きたてでないと美味は減じてしまう》(池波正太郎「卵のスケッチ(A)」より) 

時代小説の名手で食通でもあった池波正太郎(1923~1990)が好んだのは、赤穂浪士と関係するちょっと特別な玉子かけご飯だった。池波は「卵のスケッチ(A)」と題する随筆の中で、討ち入りの夜、堀部弥兵衛宅に集った大石内蔵助らに出された食事についてこう記している。

《堀部父子の妻たちは台所へ入り、腹ごしらえのための飯を炊きはじめていたが、そこへ細井広沢が生卵を持ってきたので、(略)大鉢へ生卵をたっぷりと割り込み、味をつけたものの中へ、鴨肉ときざんだ葱を入れ、これを炊きたての飯と共に出した》

池波は続けて、大石内蔵助をはじめ一同は、この焙った鴨肉入りの玉子かけご飯を大喜びで食べた、と綴っていく。いったいどんなものだったのか、再現してみた。

赤穂浪士も食べた!? 「焙り鴨肉入り玉子かけご飯」の作り方

材料(2人分)前列左から、塩ひとつまみ、鴨肉160g。中列左から醤油大さじ3、鰹と昆布の出汁大さじ3(出汁の作り方は「玉子飯の作り方」を参照)、みりん大さじ3、砂糖大さじ3。後列左から長なが葱ねぎ適量、卵2個。

材料(2人分)前列左から、塩ひとつまみ、鴨肉160g。中列左から醤油大さじ3、鰹と昆布の出汁大さじ3、みりん大さじ3、砂糖大さじ3。後列左から長なが葱ねぎ適量、卵2個。

①油を敷かずにフライパンを中火で熱したら、鴨肉の皮面から焙る。こんがりと焼き目がつくまで焙ったら、裏面も同様に焙る。

①油を敷かずにフライパンを中火で熱したら、鴨肉の皮面から焙る。こんがりと焼き目がつくまで焙ったら、裏面も同様に焙る。

②両面に焼き目がつくまで鴨肉を焙ったら火を止め、まな板の上で食べやすいようひと口サイズに切って器にあけておく。

②両面に焼き目がつくまで鴨肉を焙ったら火を止め、まな板の上で食べやすいようひと口サイズに切って器にあけておく。

③フライパンに鰹と昆布の出汁、醤油、塩、砂糖、みりんを入れて弱火にかける。すぐに泡立つので、鴨肉を入れ1〜2分煮含める。

③フライパンに鰹と昆布の出汁、醤油、塩、砂糖、みりんを入れて弱火にかける。すぐに泡立つので、鴨肉を入れ1〜2分煮含める。

④よく溶いた卵の中に鴨肉を入れて混ぜ、好みの分量を炊きたてのご飯にかける。最後に鴨の煮汁を適量かけて味を調え、小口切りにした長葱を加えれば完成。

④よく溶いた卵の中に鴨肉を入れて混ぜ、好みの分量を炊きたてのご飯にかける。最後に鴨の煮汁を適量かけて味を調え、小口切りにした長葱を加えれば完成。

いかがだろうか。先の逸話を裏づける史料や出典は実のところ不明で、当夜、堀部家で供された献立の詳細は明らかではないらしい。ただ、池波正太郎が討ち入り直前の大石らの身の上に思いを馳せ、この玉子かけご飯を食していたのは確かなこと。お試しあれ。

取材・文/矢島裕紀彦
撮影/片山虎之助

(本記事はサライ2015年6月号に掲載されたものです)

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