サブタイトルに「落語国人別帳」とあり、噺にしばしば登場する人物から、落語の面白さを味わってもらおうという、ユニークな落語ガイドブックです。
熊さん、八さん、与太郎は落語の常連ですが、甚兵衛さんはお人よし、徳三郎は遊び好きの若旦那というように、名前からその人物のキャラクターがわかるという、暗黙の了解がなされているのが落語でもあるのです。
「町人 落語国のヒーロー」「江戸の女 本音のオンパレード」「武士 そのいい加減さがいい加減」「田舎者 野暮があるから粋が映える」「力士 江戸の娯楽の立役者」の5章に分けて、登場人物から落語の名作を簡潔に解説してあります。
落語の入門書でもあり、マニアにも楽しめる名著です。
亜紀書房刊;1200円+税