写真・文/矢崎海里
近年人気のせいろ調理。
本格的な調理器具店に行かなくても、最近では生活用品店などで手軽にせいろを購入できるようになりました。
せいろ以外にもさまざまな道具を揃えないといけない、とハードルを高く考えている方もいるかもしれませんが、家にある鍋でも簡単に始められます。
今回は基本のせいろ調理と、おすすめレシピをご紹介します。
せいろ調理に必要なもの
せいろと専用の鍋がセットになっているものもありますが、家の鍋でも代用できます。
その場合には、せいろ以外に蒸し板(写真右)があると便利です。
サイズもいろいろあるので、家にある鍋の大きさに合うサイズを購入してください。
鍋に8割程度のお湯をしっかり沸騰させて、蒸し板を乗せた上にせいろを乗せるだけ。
せいろは今回18cmのものを使っています。
せいろは最初に水で濡らしてから使います。
蒸し布があると便利ですが、クッキングシートで代用することができます。
せいろの直径より少し大きめにクッキングシートを切り、四つ折りにし、
角を頂点にして三角に折り、せいろの半径に合わせて扇形に切ります。
広げれば、せいろの形に合ったきれいなクッキングシートができます。
端を少し多めに作っておくと、汁気があるものもキャッチしてくれて、せいろが汚れにくくなります。
せいろは洗剤で洗うのは避けて水洗いのみにし、カビ防止のため風通しのよいところに立てて乾かしましょう。
せいろは調理してそのまま食卓に出せるので、洗い物が少なく、おしゃれなのも人気の要因のひとつです。
市販の肉まんや焼売をホカホカに温めたり、茶わん蒸しや蒸しパンを作ったりと、さまざまな活用法があります。
次に、定番の肉と野菜の蒸し料理と、おこわのレシピをご紹介します。
豚肉と野菜のせいろ蒸し ごまポン酢ソース
【材料】(2人分)
豚ロース薄切り肉 150g
お好みの野菜 適量
★白すりごま 大さじ1
★マヨネーズ 大さじ2
★ポン酢しょうゆ 大さじ1
★ごま油 小さじ1
★砂糖 小さじ1/2
【作り方】
1.せいろにクッキングシートを敷き、お好みの野菜と豚ロース薄切り肉を入れる(今回はキャベツ1/8個、れんこん50g、人参少々を使用)。
2.鍋にお湯を沸かし、お湯が沸騰したらせいろを乗せ、沸騰を保った状態で20~30分蒸す。
3.★の調味料を混ぜ合わせる。
4.豚肉に火が通ったら火を止め、3のごまソースを添えて完成。
せいろは野菜やお肉、魚など、何でも入れるだけで簡単に蒸し調理ができます。
あぶらを使わずにできるのもポイントです。
今回は濃厚なごまポン酢ソースを合わせました。
このまま食卓に出しても華やかで、蒸すことで野菜のかさも減って食べやすくなります。
寒い季節には温かい温野菜をサラダ代わりにして、野菜不足を解消するのもいいですね。
エネルギー:346kcal
食塩相当量:1.1g
梅じゃこおこわ
【材料】(2人分)
もち米 1合
ちりめんじゃこ 20g
カリカリ梅(種抜き) 3個分
大葉 4枚
白いりごま 適量
★水 大さじ3
★塩 小さじ1/3
【作り方】
1.もち米は何度か水を変えながら研ぎ、1時間~2時間浸水させておく。カリカリ梅は小さめの角切りにする。大葉は千切りにする。★の材料を混ぜ合わせておく。
2.鍋に湯を沸かす。せいろにクッキングシートを敷き、水を切ったもち米を入れ、ちりめんじゃこをのせる。
3.お湯が沸騰したらふたをしたせいろを乗せ、沸騰を保った状態で30分蒸す。
4.一度火を止め、★の1/3量を振りかけて全体をよく混ぜる。再度火にかけ、10分蒸し、同様に★の1/3量を振りかける。これを合計3回繰り返す。
5.もち米が蒸しあがったら火を止める。カリカリ梅、大葉、白いりごまを混ぜ合わせて完成。
せいろがあれば、おこわも簡単に作れます。
時間はかかりますが、鍋で炊くごはんのように吹きこぼれる心配や、水の量が多い、少ないなどの心配はいりません。
またふたを開けて確認しやすいので蒸し加減を都度チェックできて、固かった、柔らかかったなどの食感の失敗がないのもポイントです。
今回はシンプルなレシピをご紹介しましたが、中華おこわや山菜おこわ、うなぎおこわなどさまざまなレシピに応用できます。
せいろ調理は上下でムラがあるので、何度か混ぜて火の通りを均一にする作業が必要です。
その際に振り水という水と塩を混ぜたものを振りかけ、ここで水分を調整しつつ、まろやかな塩味をつけています。
今回はちりめんじゃこにもカリカリ梅にも塩気がしっかりあるので、振り水だけでちょうどいい塩加減になりますよ。
エネルギー:242kcal
食塩相当量:2.2g
* * *
せいろ蒸しの蒸気はとても熱いので、自分とは反対側にふたを少し開けて蒸気を逃がし、その後自分側にふたを開きましょう。
やけどには十分注意してくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。