取材・文/池田充枝

赤と白のボーダーシャツがトレードマークの楳図かずお(1936-)。

『漂流教室』や『まことちゃん』をはじめ、長きにわたり歴史に名を刻む傑出したマンガ作品を数多く世に送り出している楳図の作品には、マンガという既存の分野を超えた先見的な世界観、幻視的なビジョンがいたるところに見受けられます。

楳図かずおをアーティストとしてとらえ、アーティスト・楳図かずおはいかにして生まれたかを解く展覧会が開かれています(3月25日まで)。

楳図かずお
《漂流教室》
(C)楳図かずお/小学館

本展では、27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』(原画101点)を連作絵画として初公開します。本展の見どころを、楳図かずおのエージェントを務める、担当の上野勇介さんにうかがいました。

「今回の展覧会の一番の目玉は、楳図かずおにとって実に27年ぶりの新作となる『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』です。

楳図かずお
《ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館》
(一部)
2021年 アクリルガッシュ、紙
(C)楳図かずお

1980年代に描かれた『わたしは真悟』の続編であり、同時に時空を超えたそのパラレル・ビジョン(並行世界)でもあります。アクリル絵画による101点の連作という形式をとっており、生き生きとして目を見張らされる筆触や、きらびやかで吸い込まれるような色彩にご注目ください。40年の時を超え、楳図かずおが生み出した新たなシンゴの世界をご鑑賞ください。

楳図かずお
《わたしは真悟》
(C)楳図かずお/小学館

展覧会の冒頭では、注目のアート・ユニット『エキソニモ』による『わたしは真悟』をテーマにしたインスタレーションを展示します。

エキソニモによるインスタレーションイメージ
(C)エキソニモ (C)楳図かずお/小学館

大量のケーブルが山積みする空間に設置された多数のモニターから『わたしは真悟』の作中場面が映し出されます。さらに、ガラスの向こうには、悟と真鈴が頂上から救助ヘリに飛び移った東京タワーが視界に入るという圧巻の展示空間となっています。

展覧会会場と同フロアにあるカフェ『THE SUN & THE MOON』がコラボレーションカフェ『UMEZZ CAFÉ』として本展会期中限定でオープン。楳図かずお作品や楳図かずおをイメージしたコラボメニューを提供します。目と舌で楳図ワールドを体感いただけます」

楳図ハウスパフェ (C)楳図かずお/小学館

五感で楽しむ楳図ワールド!! 会場でご堪能ください。

【開催要項】
楳図かずお大美術展
会期:2022年1月28日(金)~3月25日(金)
会場:東京シティビュー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
電話:03・6406・6652
開館時間:10時から22時まで(最終入館は21時30分まで)
休館日:会期中無休
※情勢によりやむを得ず開館時間や休館に変更が生じる場合があります
東京会場公式サイト:https://umezz.roppongihills.com
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
巡回:大阪会場・あべのハルカス美術館(9月17日~11月20日)

取材・文/池田充枝

 

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