管理職として仕事をしていく上で「時間が足りない!」と思っている方は多いと思います。今の仕事は本当に自分の仕事でしょうか? マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」で、管理職としての仕事のマネジメントの方法学びましょう。
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オフィスで最後に退社をするのは役職者。こんな状態が当たり前になっていないでしょうか? 役職者は悪気なく、「自分は管理職なんだから……」と意気込んでいるのかも知れませんが、その行動こそが部下の成長にブレーキを掛けてしまっているかも知れません。
いくつかのパターンに分け、管理職が陥るマネジメントの落とし穴と弊害、対策方法を考えて行きましょう。
管理職が忙しい要因
一言で解説をしてしまうと、「管理職の役割を誤認識してしまっている」という状態に尽きるかと思います。
組織人員の問題もあるとは思いますが、本来は管理職、それも上位になっていくことで現場に出ることは徐々に減っていくはずです。いや、減らさなくてはなりません。しかし、自身の管理職としての役割や、管理職という存在自体を誤認識していると、管理職が業務を抱えたり、部下の成長を妨げたりして、どんどん自分を忙しくしていってしまいます。
今回は誤解している管理職を3パターンに分類し、それぞれ解説をしていきます。
(1)猪突猛進、とにかく仕事に打ち込む型
自身のプレイヤー能力が評価され、管理職に抜擢された……。このようなタイミングでは、多くの新任管理職は一層仕事に打ち込もうと意気込んで行くでしょう。しかし一方で、大きな問題を抱えたまま業務に当たっているかも知れません。それは「管理職の役割」が認識出来ていない可能性があるということです。
プレイヤーとプレイングマネージャー、大きな違いはマネジメント機能の有無です。「プレイヤーとして一層頑張る」ではありません。
新任管理職であればあるほど、まずは自身の役割の確認を行う。役割が不明な場合は上司への確認が必須です。この時に注意が必要なのは上司も新任管理職もお互いに「完全結果(期限と状態が明確)」で確認をすることです。「部下の面倒を見ろ」などはNGな役割ですので、「今四半期中に部下の成約率を10%改善させる」などと明確化をしていきましょう。
自分自身の役割を明確にすることで、自ずと行動の内容も変わってくるはずです。自分が残業して、部下の数字は上がらない……とならないように、残念な残業はなくしましょう。
(2)周りは全員ライバル! 仕事抱え込み型
前項(1)では役割を認識出来ていないことを解説をしましたが、ここでは『プレイヤーとして実績を積み続けることで、これからも評価を得られる』と錯誤し、とにかくプレイヤーとして研鑽を続けるタイプを解説します。
このタイプは非常に注意が必要です。なにせプレイヤーで一番に居続けたいので、部下育成に目が向きません。それどころか、ややもすると、自分の地位を守るために、伸びてきた部下の成長を阻害するような行動に出ることもあり得ます。こういったタイプを何もしないまま管理職を据えておくと、組織の属人化が進んでしまいます。
営業インセンティブが強すぎる会社では、このような問題が起きる傾向が多いようです。そもそもの組織の在り方も課題かも知れません。その上で対策ですが、まずは自分がプレイヤー主体の行動になっていないかを顧みましょう。「自分がやった方が速い」、「不安で任せることが出来ない」と言ったような思考は要注意のサインです。心当たりがある場合は、まずは自身の評価項目を確認してください。おそらく個人の営業実績のみの評価項目にはなっていないはずです。自身が担当するチームの実績が評価項目に含まれているのではないでしょうか。
よって、いち早く「いかに上長が動かなくても、部下が目標値以上に実績を出すことが出来るか」ということに思考を向けるべきです。上長一人で150%の活躍をするよりも部下5人が110%ずつ目標達成をしてくれる方が価値ははるかに高いのです。マネージャーとプレイヤーの線引きをはっきりとさせていきましょう。
(3)天才プレーヤー、感覚的行動型
次に例示をするのは感覚的マネージャー、天才型のケースです。決して天才ではなく、「天才型」という点が重要です。このタイプの方は、表現を変えると、言語化や仕組み化が苦手タイプです。曖昧な表現で部下に指示を出し、部下の「分かりました」という返事を信用してしまうことが多いでしょう。
このようなチームで成長を実現するためには、奇跡的に上司の発するニュアンスを読み取ることが出来る人物が部下になっているか、もしくは同じメンバーと長い時間を共有することで徐々に認識の差を埋めていくかしかありません。つまり、組織の成長速度を著しく遅らせてしまうということです。
自分の指示が曖昧であることが無意識であるケースも珍しくありません。ですので、対策としては上司と部下の「分かった」の状態が上司と部下の双方において「理解した」という状態になっていなくてはならないのです。「理解した」と「分かった」では意味が違います。ここの差が出来上がりの状態に大きな差を作るのです。
具体的には、「指示を出した際に重要点を復唱してもらう」、「指示を出した後に、具体的な行動計画を確認する」といった対応をしていきましょう。ただし、そもそも論になりますが、なぜ上司と部下の間で認識のズレが発生をしたのかは考える必要が有ります。おそらく日々の指示から曖昧な表現を多用しているはずです。
「見込み」、「検討中」、「こまめに」等というキーワードに関しては、言葉の定義は出来ていますか? 営業強化と言いながら、トークスクリプトも用意していないとかはないですか? 自分と部下の違いは明確に答えられるでしょうか? より大きな責任を背負えるようになるためにも、言語化、仕組み化に取り組んで下さい。「名プレーヤー、名監督ならず」と言われないよう、どんどん自分の経験を言語化していきましょう。
まとめ
今回は時間が足りない上司のマネジメントに関し解説をさせて頂きました。特に管理職になりたてのプレイングマネージャーは参考にして頂けると幸いです。
・自身の役割の明確化(昇格したら、すぐ確認。我流に走らない)
・部下のパフォーマンスを上げることが組織成長のポイント
・「分かった」の中身の確認、感覚営業からの脱却
以上のポイントの確認をお願いいたします。
【この記事を書いた人】
識学総研 編集部/株式会社識学編集部です。『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作中。3,000社以上に導入された識学メソッドも公開中です。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/
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