マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」では、40代管理職の現状について考察しています。管理職に求められる役割などについて学びましょう。
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株式会社日本能率協会マネジメントセンターが行った「管理職の実態に関するアンケート調査」によると、約77.3%の一般社員が「管理職になりたくない」と答えたとのことです。
しかし、30代後半から40代になると、管理職への昇進を目指す人も増えてくるでしょう。実際に同僚が管理職に昇進したとなれば、焦りを感じる人も少なくないはず。
今回は、40代の管理職の現状や求められる役割などをお伝えします。40代で管理職になれない人の特徴も紹介しているので、ぜひ最後までお付き合いください。
出典:株式会社日本能率協会マネジメントセンター【管理職の実態に関するアンケート調査】ポジティブな管理職を育てる鍵とは(https://www.jmam.co.jp/hrm/column/0095-kanrishokuchousa.html)
40代管理職の現状
40代で管理職である人たちの現状について、ここでは以下の2つを解説します。
・40代管理職の割合
・40代管理職の年収
40代管理職の割合
人事コンサルティング企業のセレクションアンドバリエーション株式会社による「管理職の実態調査」によると、産業全体の管理職の平均年齢は以下のとおりです。
・課長の平均年齢:48.9歳
・部長の平均年齢:53.0歳
また、管理職比率が高い産業では、管理職比率が低い産業よりも、部長年齢が1.9歳、課長年齢が1.6歳若いことが分かりました。
管理職比率の最も高い産業および最も低い産業は以下のとおりです。
・最高:学術研究・専門・技術サービス業 17.7%
・最低:医療・福祉 5.9%
出典:セレクションアンドバリエーション株式会社 プレスリリース「管理職比率に紐づく管理職の実態調査」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000083936.html
以下の表でまとめた厚生労働省の調査からは、課長もしくは係長クラスの管理職は40代が平均的な年齢であると読みとれます。
40代管理職の収入
厚生労働省の調査より課長・係長の平均年齢と平均月収を次の表にまとめています。
なお、同調査によると、管理職かどうかは問わない40代の労働者の月収を性別・年齢別に調査した結果は以下のとおりです。
調査結果をみると、産業全体では一般的に管理職とみなされる課長クラスになると、一般社員との収入の差が大きくなってくることが読み取れます。
40代管理職に求められる3つの役割
40代の管理職は社会人経験が20年を超える人が増え、若手には難しい業務や役割を求められる場面もあるでしょう。
以下では40代管理職に求められる役割を3つ挙げて、それぞれ解説します。
役割(1)部下の育成
役割(2)目標の達成に向けた行動
役割(3)全員が守れるルールをつくる
役割(1)部下の育成
40代の管理職が求められる役割の1つは、部下の成長を意識して、指導や育成・提案をすることです。
長らくプレーヤーとして活躍してきた人にとっては、部下の育成とは何をしたらよいのか、具体的なイメージができない人も多いかもしれません。
部下を指導する場面では、指摘内容や管理職自身の行動に一貫性を持つよう気をつけましょう。部下の行動次第では叱る場面もあるかもしれませんが、決して感情的にならず、寛大な心をもって冷静な対話をすることを心がけてください。
部下のタイプによっても育成のアプローチ方法はアレンジする必要がありますが、誰に対しても、わかりやすく具体的な言葉で伝えることが大切です。
役割(2)目標の達成に向けた行動
40代で管理職になると、経営陣の方針に従ったチームや個人の目標を設定して、達成に向けた行動が求められます。
目標を策定したあとは、達成するまでにどのような行動が必要かを落とし込んだ「行動計画」を作成し、継続して行動していく必要があります。
行動計画に沿って進めていくうちに、継続が難しい問題が発生してしまった場合や、思うように成果が出ない場合は、行動や行動計画の振り返りが有効です。必要であれば、行動計画を見直し、軌道修正していかなければいけません。
管理職であれば自分個人の目標ももちろんですが、チームや部下の目標達成を最優先にすべきです。
役割(3)全員が守れるルールをつくる
40代管理職の役割として、全員が守れるルールをつくることも求められます。
「全員が守れる」というのは大切なポイントで、誰か1人でもルールを破る人間がいる状況では、チームは組織として機能しなくなる恐れがあります。管理職は部下にルールを守らせなければならず、部下は明確なルールの範囲内でのびのび仕事ができるようになるのです。
逆説的ですが、ルールが明確であれば、ギスギスせず、組織内の人間関係が良好になります。
40代で管理職になれない人の特徴
40代になると管理職になる人が増えてきますが、管理職になれない人が一定数いることも事実です。
以下は40代で管理職になれない人の3つの特徴で、それぞれ詳しく解説していきます。
特徴(1)コミュニケーションスキルがない
特徴(2)何でも自分でやってしまう
特徴(3)人間関係をビジネスに持ち込む
特徴(1)コミュニケーションスキルがない
40代で管理職になれない人の特徴として、コミュニケーションスキルが不足していることが挙げられます。なぜなら、部下への指示や上司への報告といった場面では、コミュニケーションスキルがないと、伝えたいことがうまく伝わらないからです。
伝える力がなく「何を言われているかわからない」「指導内容の意味がわからない」と部下に思われれば、信頼を得るのは難しいでしょう。
管理職になるのであれば、必要最低限として、伝えたいことをはっきりと具体的に伝えられるコミュニケーションスキルは身につける必要があります。さらに言えば、社内外で上手く交渉するといったスキルも求められるでしょう。
特徴(2)何でも自分でやってしまう
管理職になれない人の特徴として、何でも自分でやってしまい、仕事を他の人に振れないことがあります。管理職は部下を成長させる役割があるため、多少効率が悪くても他の人に任せることは必要なのです。
いちプレーヤーとしては「個人」で仕事をしていても大きな問題はないかもしれませんが、管理職になれば「組織全体」でどう仕事をするかという観点が不可欠になってきます。
もし、「他人に仕事を振るくらいなら、自分で全部やってしまおう」と思ってしまう人は、管理職に向いているとはいえません。仮に、その方法で成果を出せる優秀なプレーヤーであったとしても、管理職候補と考えるとスキル不足となるでしょう。
管理職を目指すのであれば、効率は悪くなるかもしれませんが、同僚や後輩に仕事を任せてみることから始めてみてください。
特徴(3)人間関係をビジネスに持ち込む
40代で管理職になれない人の特徴として、人間関係をビジネスに持ち込むことも挙げられます。なぜなら、管理職は部下全員と平等に接しないといけないからです。平等に接することで、組織全体として信頼関係をつくれます。
逆に、個人的な感情を持ちこんで、「好き」「嫌い」「お気に入り」の部下をつくってしまうと、選ばれなかった部下からは決して信頼されません。「お気に入り」だけを褒めるような管理職のもとでは、組織として成果を上げることは難しいでしょう。
だからと言って、全員とただ仲良くあればいいというわけでもありません。40代で管理職になりたいなら、部下となる人とは一定の距離を置き、ビジネスには人間関係を持ち込まないようにすべきです。
まとめ
40代の管理職について、以下のような内容を解説してきました。
・40代で管理職の人は、課長・係長クラスが平均的である
・課長クラスになると、平社員に比べて収入に大きな差が出る
・40代管理職に求められる3つの役割は、「部下の育成」「目標の達成に向けて行動し続ける」「全員が守れるルールをつくる」
・40代で管理職になれない人は「コミュニケーションスキルがない」「何でも自分でやってしまう」「人間関係をビジネスに持ち込む」という3つの特徴を持つ
40代で管理職になりたいのであれば、ぜひ今回の内容を参考にして、自分の行動を見直してみてください。
【この記事を書いた人】
識学総研 編集部/株式会社識学編集部です。『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作中。3,000社以上に導入された識学メソッドも公開中です。
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引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/