リーダーシップにもさまざまな考え方が登場してきています。みなさんは、オーセンティックリーダーシップという考え方をご存知でしょうか? マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」にて、オーセンティックリーダーシップについて学びましょう。

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これまでのリーダーシップはトップダウン型で、責任を有するリーダーに強い権限があるために、メンバーを統率することができていました。しかし、現代社会はニーズが多様化している上に変化が激しいため、トップダウン型のリーダーシップが限界を迎えつつあります。

そこで、登場したのがオーセンティックリーダーシップの考え方です。

本記事ではオーセンティックリーダーシップについて徹底解説していきます。マネージャー志望の方におすすめの内容です。ぜひ最後まで読んでみてください。

※当記事は識学の理想のリーダーシップ像ではなく、一般的なリーダー像の説明です。

オーセンティックリーダーシップとは?

オーセンティックリーダーシップとは、自分自身の倫理観や価値観をベースに発揮されるリーダーシップのことを指します。

オーセンティックリーダーシップを提唱したのは、現ハーバード・ビジネススクールの教授であるウィリアム・W・ジョージ氏です。

ジョージ氏が2003年に出版した『Authentic Leadership(日本訳:ミッション・リーダーシップ)』の中で提唱されたのがオーセンティックリーダーシップで、ジョージ氏は「自分に固有のリーダーシップのスタイルを開発すべきである」と本書の中で提言しました。

オーセンティックリーダーシップが求められる理由

オーセンティックリーダーシップが求められる理由は以下の3つです。

・柔軟性が求められているから
・ニーズが多様化したから
・従来型のリーダーシップでは限界があるから

それぞれ詳しく解説していきます。

理由(1):柔軟性が求められているから

オーセンティックリーダーシップが求められる背景として、組織に柔軟性が求められている点が挙げられます。

現代社会はテクノロジーの急速な発展に伴い、変化が激しくなっている状況です。その中で臨機応変に対応するには、柔軟性が必要不可欠だと言えます。

では、柔軟性はどのようにして獲得されるのでしょうか。それは、その状況に合わせたリーダーシップです。

リーダーシップを臨機応変に変化させるためには、ある一定の枠に囚われることなく、自分の意志で組織をコントロールする必要があるでしょう。

このような状況になっているため、自分らしいリーダーシップを発揮できるオーセンティックリーダーシップが求められています。

理由(2):ニーズが多様化したから

社会の変化が激しくなったことに伴い、ニーズが多様化したことも、オーセンティックリーダーシップが求められる理由として挙げられます。

まず大前提として、現代は働き方が実に多様になっています。日本国内では女性の社会参加がやっと活発になり、育休・産休などの柔軟な働き方が求められるようになりました。また、コロナ禍のリモートワークの推進の影響も非常に大きいところです。その結果、人々のライフスタイルも多様化し、それに伴う形でニーズも多様化しました。

この多様化された社会で成果を発揮するには、様々な考え方の下で組織を動かすのが一番です。そのため、自分らしさを発揮しやすいオーセンティックリーダーシップが求められるようになりました。

理由(3):従来型のリーダーシップでは限界があるから

ここまで紹介してきた2つの理由でもおわかりの通り、従来の画一的なリーダーシップは、既に限界を迎えています。リーダーシップという考え方が生まれた近代社会は、まだ大量生産社会を迎えたばかりの頃で、画一性が追求されていた時代でした。

しかし、社会がグローバル化し、様々な価値観がミックスされていく中で、従来のリーダーシップの考え方が通用しなくなっているのです。

現在もいくつかの「新しいリーダーシップ」が模索されていますが、その中でもオーセンティックリーダーシップは有力な選択肢となるでしょう。

オーセンティックリーダーシップに必要な5つの要素

ジョージ氏は、オーセンティックリーダーシップに必要な要素として(1)目的、(2)価値観、(3)真心、(4)人間関係、(5)自己統制の5つを挙げました。

ここではオーセンティックリーダーシップで求められる5つを詳しく解説していきます。

要素(1):倫理観を伴った目的を持っていること

オーセンティックリーダーシップを獲得する上で、まず必要なのが「倫理観を伴った明確な目的」です。

倫理観を伴った目的とは、ただ数字だけの目的ではなく、人々に幸福をもたらし、社会貢献に繋がる目的のことを指します。特に現代は、実に様々なリーダーシップ論が展開されている上、数字へのこだわりが強くなっているため、倫理観を見失いがちです。

ジョージ氏曰く、どれだけお金を稼いでいても、それが倫理観が伴っていないのであれば、本物のリーダーとは呼べません。もちろん、ビジネスである以上、数字はとても大切です。その一方で、倫理観を養うことも大切なことです。

倫理観を伴った目的を持っていることが、オーセンティックリーダーシップで求められます。

要素(2):善の価値観に基づいて行動できること

倫理観を伴った目的をベースに、善の価値観を構築し、それに基づいて行動できることがオーセンティックリーダーシップでは求められます。

例えば、「どんな方法でもいいからお金を稼ぐ」という歪んだ価値観をベースにしてしまうと、歪んだマネジメントを実施してしまうことに繋がります。これでは、本物のリーダーとは呼べません。

オーセンティックリーダーシップは「自分らしさ」を発揮するリーダーシップである以上、善の価値観を持っているかどうかは、非常に重要な分かれ目となります。どれだけ自分らしさを発揮できても、それが歪んだ価値観であっては、マネジメントが上手くいくはずがありません。

オーセンティックリーダーシップを成功させるには、善の価値観を養っておくことが必要です。

要素(3):真心を持ってメンバーと向き合えること

ジョージ氏は真心でメンバーと向き合うことの重要性を説きました。

真心は「誠実な心」という意味のある言葉で、まさにオーセンティックな考え方です。真心でメンバーと向き合うということは、メンバーを優先して物事を考えるということでもあります。

逆に真心のない組織は、一体どのようなものになるのでしょうか。それはブラック企業に他なりません。メンバーを尊重することはなく、まるでモノのように扱うため、職場は常にストレスフルとなります。

オーセンティックリーダーシップを実現させるには、真心を持ってメンバーと向き合うことが必要です。何よりも、まずは人を大切にするのがオーセンティックリーダーシップの特性だからです。

要素(4):良好な人間関係を構築すること

オーセンティックリーダーシップでは良好な人間関係を構築することが求められます。

というのも、リーダーになると、どうしても業績や進捗ばかりに目が向いてしまい、部下との距離が空いてしまいがちになるためです。部下もやはり人間なので、リーダーとの距離感を気にします。

一般的な組織論の考えとして、リーダーとの距離が近いメンバーほどモチベーションが高いと言われています。もちろん、距離が近すぎては、仕事とプライベートを混同してしまうので、やりすぎは禁物です。ですが、距離が離れすぎてしまうのはもっと良くありません。

オーセンティックリーダーシップでは、メンバーとの適切な距離感が求められます。

要素(5):自分をしっかりコントロールできること

仮にどれだけ素晴らしい価値観やビジョンを有していても、それを行動に落とし込むことができなければ意味がありません。

人は、短期的な利益に流されやすい性質を持っています。タバコ、酒、ギャンブル、過度な恋愛など、目先の快楽を追求するように、脳ができているためです。

一方で価値観やビジョンは、長期的な性質が強いため、どうしても短期的な快楽に負けてしまいがちになります。だからこそ、自分を律するコントロール力が重要なのです。

自分らしさを思う存分発揮するオーセンティックリーダーシップを獲得するには、目先の利益に流されないコントロール力が必要だと言えます。

オーセンティックリーダーシップのメリット3選

オーセンティックリーダーシップのメリットは以下の3つです。

・良質なコミュニケーションができる
・様々な人材を活用できる
・自分を見失わなくなる

それぞれ詳しく解説していきます。

メリット(1):良質なコミュニケーションができる

オーセンティックリーダーシップは、リーダー自身の考えをメンバーに伝えることができるため、良質なコミュニケーションが形成されやすいと言えます。

極論を言ってしまうと、従来型のリーダーシップにおいて、リーダーは企業の傀儡(かいらい)のようなもの、という見方もありました。企業の利益やビジョンのためだけに動けるリーダーが良しとされてきたのです。

一方で、現在求められているオーセンティックリーダーシップでは、企業の価値観以上に、リーダー自身の価値観が強く反映されます。

そのため、リーダーが発する意見にはパッションが多く含まれ、それがメンバーを動かす原動力になるのです。メンバーも、リーダーの価値観を理解しやすくなるため、自分の意見を発しやすくなります。

メリット(2):様々な人材を活用できる

オーセンティックリーダーシップは、一方的に命令する従来型のリーダーシップに比べて、メンバーの意見を反映させやすいと言えます。なぜなら、リーダーが自分の価値観を公にすることで、部下が協力しやすくなるからです。

例えば、リーダーが自分自身の苦手な部分をメンバーに伝えることができたら、どうなるでしょうか。メンバーは、リーダーの苦手な部分をサポートするように努めると考えられます。この支え合いの関係こそ、組織のあるべき姿かもしれません。

リーダーの力だけでビジネスを成功させるのは不可能です。メンバーの力を最大限引き出すのがリーダーの仕事だとすると、オーセンティックリーダーシップが求められているのも頷けます。

メリット(3):自分を見失わなくなる

オーセンティックリーダーシップは、自分らしさをアピールする考え方なので、自分を見失うことがほとんどありません。

仮に自分を見失いそうになっても、真心を持ってメンバーと接することさえできれば、きっとメンバーが間違いを指摘してくれるはずです。

短期的な快楽があちこちに散らばる現代社会において「自分を見失わなくて済む」というメリットは大きな強みだと言えます。

オーセンティックリーダーシップのデメリット3選

オーセンティックリーダーシップのデメリットは以下の3つです。

・意思決定のスピードが遅くなる
・コントロールしづらくなる
・成長意欲をキープしづらくなる

それぞれ詳しく解説していきます。

デメリット(1):意思決定のスピードが遅くなる

オーセンティックリーダーシップは、従来型のトップダウンのリーダーシップに比べると、意思決定のスピードが遅くなる可能性があります。

近年で最も注目を集めている経営者であるイーロン・マスクは、超が付くほどのトップダウン型のリーダーで有名です。実際にマスク氏は、迅速な意思決定でビジネスをとんでもないスピードで成長させてきました。現代社会は、変化が激しいために、何よりもスピードが重視されます。その場でYesかNoかを判断する必要があるのです。

オーセンティックリーダーシップを活用する場合、意思決定の部分だけは、スピードを最優先にするのがいいかもしれません。

デメリット(2):コントロールしづらくなる

オーセンティックリーダーシップはメンバーの個性を開放する一方で、組織をコントロールするのには向きません。

これは、トレードオフの関係と言えるかもしれません。

トップダウン型のリーダーシップから距離を置けばおくほど、組織をコントロール(統制)する力は失われていきます。

とはいえ、コントロール力を失うことで、必ずしも生産性が低下するわけではありません。マネジメントもコントロールも手段の1つに過ぎず、重要なのは目標を達成できたかどうか。そして、メンバーの仕事が充実しているかどうかだと言えます。

デメリット(3):成長意欲をキープしづらくなる

オーセンティックリーダーシップは、非常に満足度の高い状態で仕事を進めることができます。そのため、もしこの現状に満足してしまうと、成長意欲が高まりにくくなるかもしれません。

どんなリーダーシップを採用するにしても、やはりメンバーの動機付けは大切です。この動機付けの仕組み化だけは、しっかり作り込む必要があるでしょう。

まとめ

それでは本記事をまとめていきます。

・オーセンティックリーダーシップとは自分らしさを発揮できるリーダーシップのこと
・変化の激しい現代社会では従来型のリーダーシップが限界を迎えつつある
・オーセンティックリーダーシップは適切な倫理観が求められる

オーセンティックリーダーシップは、従来型のリーダーシップに比べて、自分らしさが大いに発揮されるリーダーシップです。しかし、だからこそ、善の価値観と適切な倫理観が求められます。

オーセンティックリーダーシップを取り入れる際は、自分を律し続ける覚悟を持っておきましょう。

【この記事を書いた人】
識学総研 編集部/『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作中。3,000社以上に導入された識学メソッドも公開中です。
・コンサルタント紹介はこちらから https://corp.shikigaku.jp/introduction/consultant

引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/

 


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