「人生100年時代」と言われ、一般的な定年を迎える65歳を超えても働くシニア世代が増えています。ですが、立場や雇用形態が変わっても、若い人や新しい年下の上司への態度が変わらなければ、職場でのコミュニケーションがうまくいきません。シニア世代が働くうえで大切なのがビジネスマナーなのです。

1000人超の60〜75歳の派遣スタッフを持つ高齢社がこれまでの事例や経験をもとに監修した『人には聞けない60歳からのビジネスマナー』(宝島社)は初のシニア向けビジネスマナー本。職場でのマナーをアップデートし、長く楽しく働き続けたいものです。

今回は、昨今のビジネスシーンでは避けて通れない、チャットを使用する際に押さえておきたい「基本のマナー」についてご紹介します。

監修/高齢社

チャットを使用する際のマナー

チャットの「基本マナー」は押さえておこう

ビジネスチャットは、基本的には社内でのコミュニケーションに用いられることが多いツールですが、近年は、プロジェクトを共有する社外の人(取引先など)との情報のやりとりや共有の際などに用いられるケースも増えています。

チャットには、メールよりも手軽に、複数の人と円滑にコミュニケーションがとれるというメリットがあります。その一方で、比較的新しいツールということもあり、慣れない人にとっては使い方のルールやマナーがわかりづらいという側面(デメリット)もあります。また、使い慣れていない人の中には「ツールが増えるとメッセージの確認ややりとりが複雑になって困る」と感じる人も多いでしょう。

とはいえ、職場によっては使用を避けられない場合もあるので、チャットを使用する際の「基本マナー」は押さえておいたほうがよいでしょう。

(1)定型文は省略する

メール文を作成する際、社内の相手には「お疲れさまです」、社外の相手には「お世話になっております」といった定型文から書き出す人が多いでしょう。
しかし、ビジネスチャットでは、こうした定型文や文末の署名などは省略するのが基本です。

NG「お世話になっております。先日は、お足元が悪い中お越しいただき誠にありがとうございました。ところで、ご提案いただいた件ですが……」

OK「ご連絡ありがとうございます。ご提案いただいた2案のうち、B案にて進めることになりました。」

(2)短く簡潔な文章にする

メール文の作成の際も「短く簡潔な文章」は基本ですが、チャットではメール以上に「短く簡潔」であることを意識する必要があります。伝えるべき内容が多い場合は、短い文章に分け、複数回に分けて送るとよいでしょう。

NG「先日ご提案いただいたPOPのデザイン案ですが、B案にて進めたく存じます。また、Web広告に使用するキャライラスト案もできれば3~4点ほど、アイデアをいただきたく存じます。」

OK「POPのデザイン案ですが、B案にて進めることになりました。」
「Web広告に使用するキャライラスト案をできれば3~4点ほど、アイデアをいただけますでしょうか。」

(3)言葉づかいを崩しすぎない

チャットのメリットのひとつは、メールよりも手軽かつカジュアルに会話できることですが、言葉づかいがあまりにも砕けすぎていると、相手に悪印象を与えてしまう場合もあります。相手との関係性にもよりますが、基本的には敬語を使用してやりとりを行いましょう。

NG「提案してもらったPOPデザイン案、どっちも超よかったっす。B案で行くことになったのでヨロ!」

OK「POPデザイン案のご提案、ありがとうございました。どちらも素敵だったのですが、B案にて進めることになりました。」

(4)迅速なレスポンスを心がける

テンポよくやりとりできる点も、チャットのメリットのひとつ。そのため、早めのレスポンスが求められます。受信に早く気づけるよう、メッセージが届いた際に音を鳴らしたり、ポップアップ表示したりする機能を活用するとよいでしょう。

遅すぎる返信はNG。また、チャットでは絵文字やスタンプでの返信や感情表現は許容されることが多いですが、特定の人にしかわからない(可能性がある)ネットスラングの使用はなるべく避けましょう。

*  *  *

人には聞けない60歳からのビジネスマナー
監修/高齢社
宝島社 1,650円(税込)

高齢社
定年退職後も健康で働く意欲の高い人の多さに着目し、2000年1月に会社設立。登録社員25名でガス会社やガス機器メーカーの請負業務からスタートし、2002年8月に一般労働者派遣事業許可の取得により、高齢者の人材派遣業務に本格進出。2025年2月現在、派遣登録者数は1000人を超え、業務内容も100種類以上と多岐にわたる。経営理念として下記の4つを掲げる。(1)定年を迎えても気力、体力、知力のある方々に、「働く場」と「生きがい」を提供していく。(2)働く人を大切にする(社員≧顧客≧株主の人本主義)。(3)豊富な経験を活かし、顧客には「高品質・低コスト・柔軟な対応力」を武器に優れたサービスを提供していく。(4)「知恵と汗と社徳」重視の企業風土を醸成する。

 

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