成人の約半分もの人が悩んでいるという「薄毛」。育毛で実績があるヘッドスパサロン『PULA(プーラ)』を運営する辻敦哉さんは、「遺伝よりもその人の頭皮環境が薄毛を招く」と話します。
辻さんによれば、遺伝は薄毛を招く要因の一つにしかすぎないとのこと。それよりも日頃のケアでどうにかなる要因のほうが断然多く、きちんとケアすればいくらでも薄毛を予防することが可能だそうです。
そこで今回は辻さんの著書『世界一簡単な髪が増える方法』(アスコム)から、髪を増やすための基本のステップについてご紹介します。
薄毛のタイプ別マッサージで髪の「土台」を整える
髪を育てるには、髪の毛が育つ土台、すなわち「頭皮」を整えることが何よりも大切です。でも「頭皮をよい状態にする=育毛剤を使う」と考えるのは早合点。何かを与えるよりも、頭皮の酸化した汚れを取り除いたり、マッサージで頭皮のコンディションを整えることが先決なのだそうです。
マッサージについては、一般的なマッサージと併用して、薄毛タイプ別のマッサージを行うとぐんと効果がアップするとのこと。タイプ別に以下の方法を取り入れてみましょう。
【頭頂部から薄くなるO字タイプ】 このタイプには、ストレスで筋肉が緊張し血圧が高い人が多いとのこと。そのような方には、高血圧を改善する「小指の爪もみ」がおすすめだそうです。手の小指の爪の両脇を、反対の手の親指と人差し指で10秒ほどもみます。
【生え際(前頭部)から薄くなるM字タイプ】 生え際から薄くなるタイプの方は、目を酷使していて、眼精疲労が溜まっている人が多い傾向にあるそうです。眼精疲労には、次のような「まゆ毛つかみ」を取り入れてみましょう。
(1)瞼の目頭の部分に親指を当てます。
(2)人差し指も使い、まゆ毛を皮ごとはさむようにつまみます。下から親指が上から人差し指が眉毛をはさむかたちとなります。
(3)目頭から目じりまで2~3秒かけて到達するペースで。3~4ヶ所をつまみましょう。
【全体的に薄くなる全体タイプと分け目が薄くなる分け目タイプ】 このタイプの方には、疲れや緊張から生命力が弱っている状態が見受けられるとのこと。生命力を高めるツボ「湧泉押し」で、「腎経」の巡りを促し、白髪や薄毛を遅らせることができるといいます。
「湧泉」は足の裏にあるツボで、足の人差し指を下にたどっていくと、少しくぼんだところにあります。足の指に向かって押しあげましょう。
いかがでしょうか? マッサージ以外にも、水道水に含まれる塩素や合成洗剤使用のシャンプー、ドライヤーの熱、紫外線など、頭皮に害を与えるものをできるだけ除去することと、血行を良好に保つためにも健康的な生活に留意することが、育毛につながると辻さんは説いています。予防的なケアで薄毛に対処していきましょう。
【参考図書】『世界一簡単な髪が増える方法』(辻敦哉著、アスコム)
取材・文/庄司真紀