群馬県の北西部、嬬恋村。浅間山などに囲まれる湯の丸山の中腹に位置する鹿沢温泉は、野生の植物の宝庫です。なかでも6月中旬から咲き始める国の特別天然記念物に指定されるレンゲツツジは約60万株。一面が鮮やかな朱色の絨毯のようになります。さらに7月にはコマクサ、8月にはユリと、花の見頃が続きます。
また、標高700~1400mの高原で作られるキャベツが有名で、どこまでも続くキャベツ畑の風景は壮観です。毎年7月にはキャベツ畑の中を走り抜ける「嬬恋高原キャベツマラソン」も行われます。
鹿沢温泉は江戸時代から湯治場として親しまれ、1000年以上の歴史があるといいます。泉質は炭酸水素塩泉のさっぱりした湯で良く温まり、神経痛や疲労回復に効果があります。
旅館や民宿、リゾートホテル、休暇村など、さまざまな宿泊施設があるのも魅力で、草津や軽井沢にも近く、夏の避暑地の穴場スポットとして、おすすめです(写真は休暇村鹿沢高原)。
取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。