取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った詩織さん(仮名・46歳)は、24歳の時に紹介で知り合った男性と結婚、現在は一人娘も巣立ち、兵庫県内の一軒家で旦那さまとの2人暮らしをしています。授かり婚で始まった結婚生活は、妊娠期間の情緒不安定な時期もあり、子どもが生まれるまでほとんどの時間を実家で過ごすことに。そして夫婦生活は3人での生活からスタートすることになります。
「イライラして夫にあたってしまうことが嫌で、妊娠中はずっと実家で過ごして、子どもが生まれてから3人で暮らし始めました。でもそこからも3人というよりも、お互いの両親が世話を焼きに来てくれていて、夜少し2人の時間が持てるぐらいでした。その2人の時間も恋人の頃のような甘い雰囲気は皆無で、家族としての行動をお互いが手探り状態。共通の話題が子どものことしかなくて……」
2人目への話し合いで夫婦の関係が悪化。もうこの人の子どもは欲しくない
子どもが5歳になった時に、中古で一軒家を購入。家の場所は義家族の意向もあり、旦那さまの実家に近い場所に決まったと言います。そこから実家よりも義家族のとの時間が多くなっていったとか。
「アパートから一軒家には、どちらかというと私が希望したものだったんですが、場所がなかなか決まらない時に、義家族の介入があって。義家族が色んな物件を探してきたんです。それに家の内見をしている時に義母が子どもを預かってくれたり、頭金として援助もしてくれて断れない状況に。私としては私の実家に近い場所ではないにしろ、お互いの実家に遠い場所が良かったのに。結局、義実家から車で15分ほどの距離のところに決まりました。あの時強く反対したら、別の場所になっていたかもしれませんが、すでに夫婦間で本音を言い合える関係ではなかったのか、我慢してしまったんです」
一軒家を希望した理由は、もう1人子どもが欲しかったから。しかし、旦那さまは2人目を望みません。その考えの違いをきっかけに夫婦関係は悪化していきます。
「その時私は30歳くらいで、上の子も5歳を過ぎていたので、そろそろ姉弟を作りたいと思っていました。子どもを幼稚園に入れると、ママ友の中で姉弟がいる人からのマウントも始まってきていたから。でも、その頃には夫婦生活はまったくなし。だから子どもを希望していることを夫に伝えたんですが、夫の答えは『いらない』の一言。子どもともそんなに遊んでくれない夫はこれ以上うるさくなるのが耐えられなかったんでしょう。『一人で十分』だと言い切られました。この時は夫婦生活で一番ケンカしましたね。何度も言い合っていくうちに、こんな人の子どもが果たして欲しいのかと自分でも疑問を持つようになっていって。そこから私たち夫婦は完全に別々に生活するようになりました」
【なぜ若い時に離婚しなかったのか、次ページに続きます】