取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)
今回お話を伺った和沙さん(仮名・43歳)は、27歳の時にバツイチの男性と結婚して32歳になる年に離婚。そして38歳の時に2歳下の男性からプロポーズを受けて再婚を決意します。
「付き合う前から『結婚したいと言っている男性』と紹介されていたので、付き合う=結婚だということはわかっていました。付き合いは1年半ほどで思っていたよりも早かったんですが、それでも断る気持ちは一つもなかった。今度こそ幸せに添い遂げようと思っていました」
両親と義両親で違った意味を持った言葉「もう少し時間を置いてみたら」
和沙さんが結婚の報告をした時、どちらの両親も難色を示したと言います。
「私の両親は、夫が気に入らないというよりも、もう少しお付き合いをしていてもいいんじゃないかって思ったみたいでした。
でも、相手のご両親からは、『なぜ離婚したのか』と一度目の結婚について質問されることばかり。夫にはある程度話してはいましたが、目の前で交わされる前の旦那との夫婦生活の話は、正直気分がいいものではなかったと思います。最後には夫が会話を制する感じで止めてくれたのですが、私の両親とは違った意味で『もう少し時間を置いて考えてみたら』と言われました。時間を置いて、考え直せということだと思います」
夫の実家は都内の高級地に一軒家を構える裕福な家庭。家以外にもマンションを数棟所有しており、賃貸収入も得ているそう。その話を聞いて、結婚に立ち止まってしまった和沙さんでしたが、両親を説得しようと頑張る夫の姿に気持ちを動かされたと当時を振り返ります。
「相手の家柄を感じて、後ずさりしてしまったんですよね。でも、夫はご両親に私のことをわかってもらうために食事会の場を何度も設けてくれました。私もそんな夫に感化されて、こんなに必要とされている気持ちに答えたいと、義両親に気に入ってもらえるように頑張りましたよ。その時に夫が『結婚したら家庭に入ってもらう』と説明していたんです。私もそんな家に嫁ぐんだから、そうするべきだと思っていました。今振り返ると、いい家柄=妻は専業主婦といった先入観が強かったんですよね」
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