来る2020年の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムに、日本の伝統色である藍色が採用されたのは記憶に新しいが、その藍色の自然な風合いを表現する「藍染め」で作られた革小物が本品である。
イオリ工芸代表にして伊予織物染織作家の白方宣年氏が、これからの時代に合う藍染め小物としてつくった。
「藍はかつて薬草としても重宝されており、素材を守る効果があります。そのため、大事なものを持ち歩くための財布やキーケースにぴったりだと考えました」(白方氏)
染める際は、国選定重要無形文化財の阿波藍を使用。藍の葉を酒だけで発酵させ、毎日攪拌を行ないながら、自然の力だけで作られる染料だが、天然の藍だからこそ、染めつきが弱いという難点もある。しっかりと定着させるには数十回ほど染め重ねなければならないが、その作業があるからこそ漆のような丈夫さと深い色みが備わるのだ。さらに染める工程で素材である牛革に負荷がかからないため、長く使えるのも納得のポイント。
縫製にはミシンを使わず、レースの革で覆う「巻きかがり」仕立て。深みのある藍色は、男の小物を演出するにふさわしい色だ。
【今日の逸品】
牛革天然藍染めの小物
イオリ工芸
9,180円~(消費税8%込み)