「倭(やまと)し麗(うるわ)し」と称賛された奈良には、「うまし」ものが満ちている。悠久の古都を散策した後は、この地に所縁(ゆかり)の食材をふんだんに用いた美味を堪能したい。
奈良の生産者との交流で生まれる素材重視の自然派フレンチ

「食材を大切にするなかで出会ったのが、生駒の『ひらひら農園』さんでした」と店主の佐藤了さん。
有機栽培で育てる西洋野菜や珍しいハーブは、甘みや酸味、苦みなど独特の味わいをもった野菜ばかりだという。たとえば、前菜に用いるバターナッツカボチャは、ねっとりしてなめらか。丸ごと焼いて、ブルーチーズの塩みやナッツをソース代わりにし、バターのような甘みを際立たせる。

鴨を自家熟成させ、皮目をパリッと焼き上げたメイン料理や、お米の飼料で育つ飛鳥の卵(鶏卵)でつくる真っ白なロールケーキも、あくまで主役は素材。王道の仏料理とは一線を画す、身体に馴染む自然な味わいなのである。

ラ・トラース
奈良市大宮町2-1-5 カーサヤマグチ1階
電話:0742・33・4000
営業時間::月曜、金曜、土曜18時~20時 水曜、木曜12時~13時(いずれも最終入店) 要予約
定休日:日曜、火曜
交通:JR奈良駅下車、徒歩約3分
取材・文/中井シノブ 撮影/伊藤 信、大道雪代

特別付録『2026年「サライ」オリジナル「ゴッホ・カレンダー」』











