定番ソースと、火加減、塩加減。覚えれば、家パスタが驚くほどおいしくなる魔法の法則を教えます。
トマトのフレッシュさと酸味を生かすのがコツ

ガツンとした辛みがトマトの酸味を際立てる。瑞々しく軽やかなソースに仕上げるため、トマトを加えてから火を通すのは3分間。
トマトは水煮か、それとも生のトマトを用いるか。酸味は消すのか、生かすのか。定番ゆえ、トマトソースほど料理人の個性が出るレシピはないだろう。小倉シェフのソースはトマトの水煮を使い、そのフレッシュさと酸味を生かすのが特徴だ。主役のパスタを引き立てるためソースはシンプル、という考えを貫いている。今回は家パスタ用に水煮のカットタイプで、より手軽なソースを教えてくれた。
まずソースのベースづくり。にんにくの香りを最大限活用するためみじん切りにして、辛みの素となる唐辛子オイルとともに炒める。ここで注意するのは、焦がすとソースに苦みが出るので、弱火でじっくり火を通すことだ。そして焦げる一歩手前でトマトの水煮を投入。縁についたソースは旨みになるのでこそぎ落とし、3分ほど煮る。塩での味付けも、煮込みも必要なし。ソースの色が赤から明るいオレンジ色に変わったら、ほどよい酸味が残るソースの完成だ。
トマトソースの場合、パスタは少し固めにゆでて、大らかに湯きりをするとパスタがソースをはじき、食べ終わるまで軽やかな状態が続くと小倉シェフ。心地いい辛さがクセになるおいしさだ。
材料( 1人分)

パスタ(スパゲッティーニ)……70g
塩……30g
トマトの水煮缶(カットタイプ)……80g
にんにく……1片
A
オリーブ油……20g(大さじ1強)
唐辛子オイル*……小さじ1
オリーブ油……小さじ1
*唐辛子オイルのつくり方

赤唐辛子1:オリーブ油10の割合で、ハンドブレンダーなどでかくはんする。赤唐辛子の辛みを余すことなく使え、オイルの量で辛みを加減できる。赤唐辛子1本で代用可。その場合は2(↓)の工程で加え、ゆっくり火を通す。
つくり方
1.下ごしらえをする

にんにくはみじん切りにする。これにより、ソースにしっかり香りが移り、パンチのある味に仕上がる。
2.ソースのベースをつくる

フライパンにAとにんにくを入れ、強めの中火にかける。にんにくがふつふつとしたら弱火にし、色づくまで約3分間火を通す。
3.パスタをゆで始める

鍋に水2Lと塩30g(塩分濃度1.5%)を入れて沸かし、パスタを袋の表示時間より30秒短くゆで始める。
4.トマトの水煮を加える

2のにんにくがきつね色になったら、トマトの水煮を加えて混ぜ合わせる。にんにくは焦がさないように注意する。
5.トマトソースの色を見極める

中火にし、縁についたソースをこそげながら絶えず混ぜて、ソースの色が赤から明るいオレンジ色になるまで約3分間火を通す。
6.パスタにソースを和える

パスタがゆで上がったら水けを軽くきってフライパンに加え、オリーブ油を回しかけて素早く混ぜ合わせる。
教える人 小倉知巳さん (『Regalo(レガーロ)』オーナーシェフ)

Regalo(レガーロ)

東京都渋谷区代々木4-6-2宍戸ビル地下1階
電話:03・6383・3384
営業時間:17時30分〜20時30分(最終注文)、土曜、日曜、祝日はランチも営業。12時〜12時30分(最終注文)
定休日:水曜、木曜
交通:小田急電鉄小田急線参宮橋駅より徒歩約3分

取材・文/石出和香子 撮影/宮濱祐美子











