マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」が、ビジネスの最前線の用語や問題を解説するシリーズ。

はじめに

挑戦を繰り返すことは重要ですが、やみくもな挑戦と失敗の繰り返しは成功には繋がりません。失敗を糧に成長するためには、失敗から不足を正しく認識し、原因分析を行う必要があります。そして、その原因分析に基づき、次の目標設定と、それに必要なアクションを決定・実行しなければなりません。

この記事では、挑戦を失敗に終わらせず、成功へ導くために必要な「失敗」を成功のもとにするコツについて解説します。

失敗したまま辞めれば、失敗のまま終わる

何度失敗しても、最後にそれをリカバリーできれば、その挑戦は成功です。そのためには、失敗ではなく成功に視点を置く必要があります。失敗した過去や、失敗するかもしれないという過度な意識は、成功への集中力を低下させます。

また、失敗した状況で責任を取って辞めるという行為は間違いです。責任を取るとは責任を果たすことであり、途中で辞めることは責任放棄にほかなりません。ただし、重大なルール違反はそもそも責任を果たす以前の問題であり、即時退場となる場合もあります。そうでなければ、成功を目指して再スタートを切れば良いのです。つまり、過去ではなく、未来の成功に視点を向けることが必要です。大きな成功を掴んでいる人ほど、多くの失敗を経験しています。

人のせいにした時点で終わり

成長のためには、自らの不足を正しく認識することが不可欠です。不足を認識できなければ、それを改善できません。

自らの失敗を人のせいにする人は、不足を認識できません。人のせいにする、いわゆる「他責」の状態では、自分の行為に視点が向かず、行動を改めることができないからです。他責の状態では、失敗したという認識すら持てないのです。

確かに、外部環境や他者の影響で成果を得られないケースはあります。しかし、よほどの例外を除き、自分に全く非がないことなどないはずです。そのすべてを外部要因のせいにしていたら、行動の改善には繋がりません。周りから見て明らかな失敗であっても、本人に自覚がなければ、リカバリーできずに失敗の状態で終わってしまいます。失敗した場合は、まず自分に問題がなかったかと深く振り返ることが必要です。

問題ではなく、課題として捉える

失敗した場合、単なる問題ではなく、課題として捉えなければいけません。

例えば、「太ったので痩せなければいけない」という場合、「太った」ことは単なる事象であり、問題にすぎません。この事象の特定だけでは正しい対策が打てず、ダイエットもうまくいきません。太った理由が間食の多いことだと分かれば、「間食を減らさなければいけない」ということが課題になります。つまり、問題を解決するためには課題を特定し、具体的な行動を起こすことが必要です。

他責の状態では課題を捉えにくくなります。営業の場面で「顧客に予算がなかった」「市況が悪かった」という問題認識は事実かもしれませんが、自責の状態ではないため具体的な行動に繋がりません。そのためには、問題の特定ではなく、課題の特定が必要になります。

「提案時に予算の確認ができていなかった」「市況が悪く、成約率が低いので行動量を増やす必要があった」というように自責で捉えることができれば、「提案時に予算の確認をする」「商談数や訪問数を増やす」などの具体的な行動に繋がるのです。

人は変わりたくない生き物であることを知る

人間は、100度のサウナに入っても体温を36度台に維持しようとします。これは、人間というものが原理原則として「変わりたくない」という状態が本来の姿だからです。つまり、成長したいと思っていても、無意識に元の状態に戻ってしまうことはよくあることなのです。

人がとっている行動のうち、意識的な行動はわずか5%と言われ、残りの95%は無意識的な行動、つまり、考えることなく反応的にとっている行動といえます。人間の行動は、この無意識の行動でほぼ決まっています。人間が変わらない本質は無意識の行動にあり、そして現在の無意識の行動が未来を決めているのです。

また、変わろうとすると恐怖が働くことも正常な状態です。そのドキドキした感覚は最初の一歩目が最も強く、二歩目、三歩目と進むにつれて弱まっていきます。まずは失敗をリカバリーするための一歩目を意識的に踏み出すことが重要なのです。変化を止めない人は、反対にこの一歩目のドキドキを求めて変化していくのです。

自分自身を知る必要がある

意識的に改められる行動は、自身が意識している行動のみです。無意識の行動は容易には改められません。そのためには、まず自分自身を知ることが必要です。

自分を知るためには、失敗を自責で分析すること以外にも、改めるべき行動について他者からのフィードバックを受けることが重要です。また、経験から知ることも重要です。自転車の乗り方を言葉だけで説明しても、乗ってみないとバランスのとり方やペダルを漕ぎだすタイミングと力加減は理解できません。自転車に乗るためには言葉にできない情報が必要であり、言葉だけで説明すること自体が困難なのです。

失敗した時こそ、頭の中だけで考えたり、言い訳の言葉を発したりするのではなく、行動を起こし、自らの経験から新たな気づきを得ることが必要なのです。頭の中だけで考えている状態では行動に繋がりません。次のアクションが明確になり、自ら動ける状態こそが自責の状態であり変化をするために必要な条件です。

まとめ

失敗を成功につなげるコツについて解説しました。成功するために必要なポイントは以下の5つです。

1.成功するまで続ける
2.人のせいにしない
3.課題を特定する
4.自ら変わろうとする
5.自分を知り行動をする

失敗を成功にするためには、失敗で終わらせず、成功するまで行動を繰り返すことが必要です。そのためには、人のせいにせず、自責で捉えることが必要です。また、課題として取り組みの対象や行動を明確にすることも必要です。

そのほか、変わりたくないという人間の性質を理解した上で、変化の際に感じる体の反応としてのドキドキを意識的に楽しむことも必要でしょう。自分を知り、無意識にとっている行動を修正する必要もあります。そのためには、他者からのフィードバックや自らの経験から新たな気づきを得ることも重要です。

識学総研:https://souken.shikigaku.jp
株式会社識学:https://corp.shikigaku.jp/

 

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