日本漢字能力検定(漢検)とは


1975年に始まった漢検。級は小学1年生修了程度の10級から最難関の1級まで12段階あり、どの級からでも挑戦できる。試験は年3回あり、2024年度の志願者数は約137万人にのぼった(上写真/公開会場での受検)。公式ホームページ「日本漢字能力検定」(https://www.kanken.or.jp/kanken/)

今から50年前に始まった日本漢字能力検定。累計志願者数はのべ5500万人を超える。
検定は、個人単位で受検できるもので年3回。中には、家族全員で受けに来る人や、孫と一緒に受ける人もいるのだという。
「気軽に受けられるようにと、昨年から『漢検オンライン(個人受検)』というサービスを始めました。これは、ご自身のタブレット端末を使って、自宅にいながらにして、漢検(2~10級)を受検できる仕組みです」(花本直和さん)
漢検は「生涯学習」のひとつとしても利用されている。
「例えば訓読みで『歯』という字、『ハ』以外になんと読むかわかりますか? 実は年齢の意味の『ヨワイ』と読むんです。年齢の齢の字にも歯がついていますが、歯と齢は同じ意味があるのです。漢検の勉強をしていくと『歯』一文字から、いろいろな方向に広がっていき、漢字の意味の解像度があがります。これを楽しんでいる方が多いようです」(大西雅子さん)

認知症予防にも
漢検には「手書き」の問題が数多く出るので、勉強では漢字を手で書く機会が増える。
「京都大学との研究で、手書きの習慣が言語能力の発達と関連することがわかりました。言語能力を高めることで、認知機能の維持が期待できることから、手書きの習慣が認知機能維持につながることが示唆されています」(花本さん)
何級を受けるか、いつまでに合格するか、という「目標」を設定しやすいのも漢検人気の理由だ。
今年度の検定は10月19 日(※1:申し込みは9月13日まで)と来年の2月15日(※2:申し込み期間は12月10日〜来年の1月10日)。挑戦してみてはいかがか。

別冊付録『最新版「 漢検」で腕だめし』の使い方

漢検に興味はあるけれど、自分にどれだけの力があるかわからない。そんな人も多いのではないか。
そこでご用意したのが、別冊付録『最新版 「漢検」で腕だめし』だ。この冊子に収録されているのは2023年度第3回の漢検で実際に出題された3級~1級の試験問題だ。各級の程度は次の通り。
●3級(中学校卒業程度)
●準2級(高校在学程度)
●2級(高校卒業・大学・一般程度)
●準1級(大学・一般程度)
●1級(大学・一般程度)
準1級以上は難度が格段に上がる。鉛筆を手にいざ。
別冊付録『最新版「 漢検」で腕だめし』検定問題の正答率
掲載の5つのレーダーチャートは、本号別冊付録『最新版 「漢検」で腕だめし』掲載の2023年度第3回(検定日/2024年2月11日)に実施された日本漢字能力検定(漢検)における、1級〜3級の級別かつ大問別の正答率データです(公開会場で行なわれる個人受検のデータのみ。団体受検は除く)。受検者全体を緑色、合格者全体を黄緑色で表しています。データ提供/(公財)日本漢字能力検定協会

取材・文/角山祥道

