
イタリアで誕生した名門時計ブランド「PANERAI」(パネライ)が、ブランドの原点に立ち返った新作「ルミノール マリーナ PAM01759」を発表しました。全世界で限定1000本というプレミアム性とともに、パネライがかつてイタリア海軍のサプライヤーとして築き上げた歴史とアイデンティティを、現代的な技術で昇華させた一本となっています。
文/土田貴史
初期の潜水用計器を想起させる、ドーム型風防が特徴
パネライは1860年にフィレンツェで創業し、長きにわたりイタリア海軍、特に特殊潜水部隊に高度精密機器を納入してきた歴史を持ちます。その経験から生まれた初期の計器や潜水用時計は、過酷な環境下でも正確に機能することが求められました。本作PAM01759は、そうしたパネライのルーツを色濃く反映したデザインが特徴です。
44mmの堅牢なステンレススティールケースに、最大の特徴となるドーム型サファイアクリスタルを採用。このドーム型の風防は、初期の潜水用計器を想起させる意匠であり、視認性を高めるとともに、クラシカルなシルエットを生み出しています。
文字盤には、グリーンのスーパールミノバ(R)で表現されたアラビア数字インデックスが配置され、暗闇での高い視認性を実現しています。パネライ独特の“サンドイッチダイヤル”構造を採用し、上層の黒文字盤をくり抜いた数字とインデックスの下に蓄光塗料を配置。この二層構造により、光を蓄えた蓄光層が文字盤の奥から浮かび上がるように発光し、深海での視認性を確保します。これは特殊潜水部隊が必要とした実用性へのオマージュであり、パネライならではの機能美を体現するディテールです。
9時位置のスモールセコンドは、潜水中に時計が作動しているかを確認するための重要な計器として機能し、パネライのミリタリールーツをさらに強調しています。デイト表示を省いたシンプルでクリーンな文字盤レイアウトは、メゾン初期の海軍向けタイムピースを彷彿とさせる潔さがあります。

3日間駆動する自社製ムーブメントと実用性
搭載されるのは、パネライ自社製のP.9010キャリバー。自動巻きムーブメントで、ツインバレルによる3日間のパワーリザーブを備えます。また、分針に影響を与えずに時針を迅速に調整できる機構により、タイムゾーンの変更が容易なのも特徴です。
防水性能は30気圧(約300メートル)を誇り、すべてのパネライウォッチ同様、表示されている防水値より25%高い値でテストされています。ケースバックはクローズド仕様で、「Limited Edition」の文字とシリアル番号が刻印されます。
ダークブラウンのヴィンテージカーフレザーストラップと台形ピンバックルが標準装備され、レトロな雰囲気を演出。加えて、ブラックラバーストラップも付属し、スポーティなシーンにも対応する実用的な多才性を備えています。パネライ限定モデル特有の特別な木製ボックスに収められたこの時計は、2025年12月よりパネライブティックで発売されます。

計器としての機能性を追求したパネライの遺伝子が、現代の技術と美意識によって新たな形で表現されたPAM01759。なかでもドーム型の風防が、イタリア海軍向けに時計製造を行っていたブランドのアイデンティティを力強くアピールしています。時計愛好家はもちろん、歴史と伝統に裏打ちされたものづくりに共鳴する大人にこそ相応しい一本といえるでしょう。

自動巻き(Cal.P9010)、パワーリザーブ3日間、ステンレススティールケース(径44mm)、ケースバックに限定モデルの刻印、サファイアクリスタル製のドーム型風防、カーフストラップ(ブラックラバーストラップをスペアとして付属)、30気圧防水。147万4000円(税込)。(問い合わせ/オフィチーネ パネライ Tel.0120-18-7110)
https://www.panerai.com





