長かった晩夏も落ち着き、ようやく過ごしやすい季節の到来です。暑さで屋外での運動を控えていた人も体を動かしたくなってきたのでは。また、日頃の運動不足を解消したいという人にもおすすめなのが、手軽に取り入れられて健康効果も高いとされるウォーキングです。
そこで今回は、これまで『サライ.jp』でお伝えしてきたウォーキングに関する記事をご紹介します。やみくもに歩いたら逆効果になることもあるので、しっかりとポイントを押さえ、「スポーツの秋」を楽しみながら健やかな心身を手に入れましょう。
1:自己流は逆効果に!ポイントを押さえて、継続することを目指す
運動が苦手な人でも取り入れやすいのがウォーキングですが、パナソニック株式会社とアシックス商事株式会社の調査によると、継続する上で、「脚やひざまわりの筋肉痛」「寒くなると風邪やケガが心配」という悩みを持つ人が多いということがわかりました。
ウォーキングは手軽さがある一方で、自己流で行うとひざや体全体への負担を誘発する可能性があるので。初心者こそ注意が必要です。
専門家のアドバイスは、
「耳―肩―腰―ひざー外くるぶしのラインが一直線」になるように立ち、
「ストレッチなどの準備体操・クールダウン」をしっかり行ってから、
「やや息がはずみ、話しながら歩ける速さを目安に1週間に3日以上、1回20分以上を目標」にすること。
そして、歩き終わったら「マッサージなどでクールダウン」も忘れずに。
無理せず、体調に合わせて行い、継続することを目指しましょう。
2:快適に歩くためには、自分の足にフィットしたシューズが重要!
ウォーキングに欠かせないのが「ウォーキングシューズ」。足に合わないシューズだと、体に負担がかかってしまうこともあります。
そこで、スポーツ用品メーカーのミズノで、ウォーキングシューズを選ぶ時に特に気をつけたい3つのポイントについて教えていただきました。
(1)「正しいサイズを知る」
(2)「足指の屈曲部分がフィットするか」
(3)「つま先が当たっていないか」
また、正しい履き方をしないと、サイズがあっているのかいないのか分かりません。知っているようで知らない、履き方のコツもご紹介しています。足がむくみやすい夕方の時間帯に、ウォーキングの時に履く靴下を履いて合わせて選ぶと、より快適に歩ける一足に出会えることでしょう。
3:1日に1万歩の必要はなかった! ベストの歩数とは?
1日に1万歩のウォーキングをすることが健康維持に必要と思っていませんか?
ところが、効果が薄いばかりでなく、むしろ健康を損なうこともあるという意外な事実が判明しました。
1日のベストの歩数は8000歩で、そのうち20分は「中強度」の歩き方をすることだとか。「中強度」とは、なんとか会話が可能な程度に息が上がったペースのこと。毎日ではなくとも適度にさぼりながらでも続けることで、健康によい効果が現れるそうです。
1万歩という数字に尻込みしてしまう人や、ついついさぼってしまう人にはうれしい情報ですね。
※えっ1日1万歩は逆効果!? 健康維持には「8000歩、20分」のウォーキングがいい
4:健やかに長生きするためにウォーキングを!
人生100年時代、いかに健康寿命を延ばし、健やかに生きていくかはこれからの重要な課題といえます。食事や睡眠など気をつけたいことはいろいろありますが、やはり要となるのは運動です。
運動量と死亡率との関係について、ハーバード大学の研究チームが3万6383人分ものデータをもとに「メタ分析」を行ったところ、ウォーキングの重要性が証明されました。
・ウォーキングなどの軽い運動をよく行う人は、まったく運動をしないグループに比べて死亡率が62%低くなる。
・座ってばかりで体をほぼ動かさない人は、ウォーキングなどの軽い運動を行う人に比べて死亡率が263%アップする。特に座りっぱなしの時間が1日12時間以上の人は死亡率が292%高くなる。
・毎日10分前後のウォーキングで、メンタルが落ち込むリスクは12%減る。
・普段の活動に1日8分のやや早足のウォーキングを毎日行うと、高齢になっても充分な肉体機能を維持できる。
その他、さまざまな健康効果が証明され、ウォーキングを行わない理由が見つかりません! 未来の自分のために、いまからウォーキングを始めましょう。
※1日のウォーキング時間が長くなるほど体は若返る「不老長寿のメソッド」
5:早朝のランニング、食前のウォーキング。どちらがベター?
適切なランニングが健康によいことは医学的にも証明されつつありますが、早朝のランニングはおすすめできないそうです。
その理由は、睡眠中に下がっていた体温は、起床時にはまだ十分に上がらず、筋肉は固まっているので、ランニングをすることで関節や筋肉を痛めることにつながるから。とくに、高齢者や心臓に病気を持っている人にとって、早朝ランニングは危険行為ともいえます。
一方、ウォーキングは、いいことだらけ!
・体に大きな負荷をかけない。
・取り入れられた酸素が体内に蓄積している脂肪やグリコーゲンを燃焼させる。
・適度に筋肉がつき、基礎代謝量が増えることで脂肪燃焼が促進される。
・心臓や肺の働きが良くなる効果がある。
・新鮮な血液を全身に送り出すことができるので、生活習慣病の予防、ストレス解消、美容効果なども期待できる。
なお、痩せたいのなら食後より食前に行うのがおすすめです。
※「早朝のランニング」「食前のウォーキング」長生きするのはどっち?『長生きする人・しない人の習慣』
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ウォーキングは、その気にさえなれば今日から始められる運動習慣です。「明日から……」と先送りにせずに、一歩踏み出してみませんか。過ごしやすい秋はウォーキング始めにぴったりな季節です。
文/編集部