咲き誇る花と緑の織りなす美しさを、うるわしと讃えられた大和の国。悠久の古を歩きながら、この地で産する食材をふんだんに用いた料理をじっくり味わいたい

A+ à plus (アプリュス)|モダンな日本酒に寄り添う新時代フレンチ

昼のコース6000円に付く「風の森飲み比べセット」(夜は別注文で2000円)。左から「ALPHA1 」「秋津穂657」「雄町807」「露葉風807」「山田錦807」(各30㏄)。657、807の数字は精米度。ALPHAシリーズは、玄米を使うもの、低アルコール酒など革新的な酒造りに挑戦した。

現代フレンチと日本酒の競演。カウンターレストラン『アプリュス』は、江戸時代から続く油長酒造の蔵を改装し、2022年に開業した。店主の小林達也さん(52歳)は、老舗フレンチレストランで30年間勤め、現在も星付き店で料理長として腕を揮(ふる)う。蔵の13代目当主・山本長兵衛さんと意気投合し、土・日の昼と月曜限定での出店に踏み切った。

銘酒「風の森」に、独自性の高い料理を合わせていく。

「酸味やフルーティさのある革新的な酒に添う料理をつくるのは、心浮き立つことです」と小林シェフ。オリーブを用いるタプナードソースには味噌を、クリームチーズには山葵をと工夫を凝らす。それら料理とともに、酒米や精米歩合、製法が違う日本酒を味わう。

倭鴨のパテ・ド・カンパーニュやスモークサーモンを射込んだガレットなど前菜には発泡感のある酒が合う。5種類の飲み比べセットもあるので、料理と酒の相性を試すのがなんとも楽しい。

「3種の前菜」。この日は倭鴨や黒豚でつくるパテ・ド・カンパーニュ。酒粕で発酵させた自家製パン添え。黒ゴマのクッキーで挟んだリエットとドライ吉野柿。筒状の蕎麦粉ガレットの中はスモークサーモンと山葵チーズ。
「奈良の野菜+味噌タップナード」はコース(夜は1万1000円)の中頃に。時季により緑トマト、オクラ、マクワウリなど10種以上。

地元農家が作る新鮮な野菜、地元の味噌や醤油と、食材のほとんどに奈良県産を用いる。同じ風土で育まれる食材と日本酒の調和が実に心地よい。

ランチコースの「大和牛のハヤシライス」。白米に合わせてアレンジしたブルギニヨンソースで、大和牛、十津川のエリンギを煮込む。
パリのフランス料理店でも経験を積んだ小林シェフ。食と農を結ぶ現役料理人に贈られる「料理マスターズ」ブロンズ賞を受賞した。

A+ à plus(アプリュス) 

隣接する民家と酒蔵を合わせて改装した店舗。

御所市西久保本町1137
電話:0745・40・3862
営業時間:12時、18時~(一斉スタート)予約はサイトから
定休日:火~金、土・日の夜
交通:近鉄御所駅より徒歩約8分

※この記事は『サライ』本誌2024年11月号より転載しました。

『サライ』2024年11月号は特別付録「『ザ・スコッチハウス』スケジュール手帳」付き。

 

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