過去に結婚式に参加したことがある方であれば、披露宴の流れはどれも同じような印象をお持ちなのではないでしょうか? 一見どれも同じに見える披露宴の流れでも、状況によっては披露宴の内容に工夫が必要なこともあります。
披露宴における親の役割は、演出に登場するだけでなく謝辞やゲストへの挨拶回りなど、意外と動いている時間が多いものです。親も披露宴のスケジュールを大まかに把握しておくことで、次の行動への心の準備ができるでしょう。
本記事では、披露宴での流れやスケジュールに関する注意事項をご紹介します。
目次
披露宴のスケジュール
披露宴前半の流れ
披露宴後半の流れ
披露宴のスケジュールに関するポイント
最後に
披露宴のスケジュール
一般的な披露宴の所要時間は、およそ2時間半~3時間程度になります。披露宴のスケジュールは、さまざまなプログラムを時間内に収まるようバランスよくまとめることが重要です。
披露宴には「キャプテン」と呼ばれる先導役のスタッフや花嫁の介添え役、プランナーが進行を把握し、連携して時間通りに進むよう努めます。しかし、中には予定通りにいかないケースも多く、ゲストが多ければ多いほど時間が押しやすい傾向にあります。
時間が大幅に遅れる場合は、ゲストに迷惑をかける可能性があります。例えば、遠方からのゲストであれば新幹線や飛行機を予約していることもあるでしょう。披露宴は演出などの内容も重視されますが、ゲストに負担をかけないようなスケジュール管理が大切といえます。
披露宴前半の流れ
一般的な披露宴前半の流れは、定番の演出で構成されています。演出の内容に自由度が低い分、披露宴の前半は大幅な時間の遅れは少ない印象です。
ここでは、披露宴前半の流れをご紹介します。
主賓挨拶・乾杯の発声
主賓挨拶は、一人当たりおよそ5分程度が基本です。両家にそれぞれ主賓がいる場合は、その分時間に余裕を持たせておきましょう。主賓に該当するゲストが不在の場合は、省略してそのまま乾杯の挨拶に移ります。主賓挨拶と乾杯の発声が独立する場合は、それぞれ約5分程、所要時間が確保されています。
ケーキ入刀
定番の新郎新婦によるファーストバイトだけであれば約5分程度ですが、親や友人との「ラストバイト」や「サンクスバイト」などの演出を取り入れる場合は、およそ10分程度必要になります。カメラマンによる撮影も行なわれるので、演出に関わる人数が増える程時間が長くなるでしょう。
歓談
歓談の所要時間や開始のタイミングに決まりはありません。歓談はゲストにとっては文字通り歓談を楽しむだけのものではなく、お手洗いにいったり、他のテーブルのゲストと交流を楽しめる「中休み」のような位置付けになります。
披露宴後半の流れ
披露宴後半は、見せ場となる演出が多く含まれるため、時間管理が重要です。ここでは、代表的な流れと所要時間の目安をご紹介します。
新郎新婦中座
お色直しのための中座は、「新婦のみ先に退場」か「新郎新婦そろって退場」が一般的です。所要時間は約15分ですが、和装の場合は30分程度かかることもあります。最近のお色直しのトレンドとして、
・髪型やヘアアクセサリーのみ変更する簡易的なお色直し
・新婦の長い髪をショートヘアにカットする
などの演出も人気があり、いずれの場合でもおよそ10~15分程度で収まるようになっています。
新郎新婦再入場
再入場時には、テーブルラウンドや記念撮影が行なわれることが多く、約30分が目安です。ただし、ゲスト数やテーブルごとの状況により時間が前後します。
ゲストのスピーチ・余興
スピーチは約5分、余興は約10分が目安ですが、感情が高まる場面では時間が長くなることもあります。スケジュールが厳しい場合は、どちらか一方のみを取り入れても問題ありません。
親への記念品贈呈
新婦(新郎)から親への記念品贈呈のみならず手紙の朗読もある場合は、10分程度確保されていますが言葉に詰まることも多く、実際はそれ以上かかるケースがほとんどです。新郎新婦や親が人前でのやり取りを気恥ずかしいと感じるなら、手紙や記念品を渡すだけとなってもいいでしょう。
両家代表・新郎謝辞
それぞれの謝辞の所要時間は、およそ5分ほどになります。稀に定例文だけの短い謝辞を見かけることがありますが、ありきたりな内容ではゲストに気持ちが伝わりません。謝辞は「今日を迎えられた喜び」や「ゲストへの感謝」、親の謝辞であれば「新郎新婦への想い」など披露宴の締めくくりにふさわしく心を込め、時間内に収まるよう手短にまとめましょう。
お見送り
ゲストのお見送りは、披露宴お開き後に両家両親と新郎新婦揃って行なう最後の項目になります。ゲスト数に応じて所要時間は変わりますが、一般的に披露宴後のお見送りには約30分を確保している会場が多いです。
基本的にゲストが帰る際、お見送りの挨拶箇所を通過しなければならないので、ゲスト数が多ければ多いほど待機時間が長くなります。名残惜しいですが、どのゲストにも手短で平等な対応を心がけましょう。
披露宴のスケジュールに関するポイント
ここでは、披露宴のスケジュールに関する注意点をご紹介します。
延長料金がかかることもある
会場によっては、披露宴が予定時刻を大幅に過ぎた場合は追加料金が加算されるところがあります。「披露宴が盛り上がって時間が押してしまった」など、新郎新婦側が原因の遅延に関しては「30分で数万円」かかるケースも……。親としては、自身が関わる項目の時間管理を徹底するなど、延長料金が発生しないよう意識した行動を心がけましょう。
余興や演出なしでも問題ない?
近年は余興や演出をやらない披露宴も増加傾向にあります。その背景として、「ゲストに準備の負担をかけたくない」、「ゲストにはリラックスして披露宴を過ごして欲しい」との考えがあるように見受けられます。
余興や演出がない分、時間管理がしやすくスケジュールが把握しやすくなるでしょう。「定番だから」の理由で余興や演出が必要と考えている方は、思い切って省略するのも一つの方法です。
披露宴中の親の挨拶回りのタイミング
披露宴では、挨拶回りが必要が否かを気にされる方は多いのではないでしょうか。近年は、親の披露宴中の挨拶回りをしない家庭も増えてきています。しかし、一部の方は、結婚式を普段滅多に会えないゲストに直接お礼を伝える機会と捉えています。
親の挨拶回りのタイミングは歓談時が多いですが、「料理が配膳中」や「食事開始すぐのタイミング」は避けましょう。ゲスト全員が料理に手を付けて、落ち着いた頃に伺うのが望ましいですが、プランナーに事前に相談し挨拶のタイミングを決めておくと安心できます。
最後に
新郎新婦と異なり、親は結婚式当日まで式や披露宴の詳細を知らないことがほとんどです。しかし、事前に新郎新婦を通じて大まかに流れを把握しておくことはできます。親が披露宴のスケジュールを把握しておくことは、スムーズな進行の助けとなるでしょう。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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