2024年から、NISA(少額投資非課税制度)の制度が変更となったことで注目度が高まっていますが、みなさんはNISAを利用されていますでしょうか? なぜ今、NISAが注目されているのか、そもそもNISAとはどのような制度なのか、わからないまま始めてしまうのはなるべく避けたいものですね。今回から、「NISA」についてわかりやすく解説していきますので、一緒に学んでいきましょう。
100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
なぜ今、投資が重要と言われるのか?
NISAとはどういう意味?
NISAの特徴
まとめ
なぜ今、投資が重要と言われるのか?
2024年1月1日から「NISA」の制度が拡充されたことで、「NISA」について耳にする機会が増えたと感じる人は多いのではないでしょうか? そもそもなぜ今、投資が重要と言われているのかご存知でしょうか?
老後にお金が足りなくなる理由とは
「老後2,000万円問題」という言葉を、覚えている人も多いのではないでしょうか? 金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」がまとめた報告書の中で、「平均的な家庭で老後の資金を考えた時、退職金や年金だけで賄うことが出来ず、2,000万円不足する」といった趣旨ととらえた報道が、一部のメディアで取り上げられたため、一時的に大きな話題となりました。
様々な物議を醸しだしたこの問題ですが、2,000万円が問題なのではありません。単純に、「老後にお金が足りなくなる」人がいるということが問題なのです。
ではなぜ、老後にお金が足りなくなるのでしょうか?
その理由として3つの大きな要因があげられます
1. 平均寿命が伸びて、老後の期間が長くなってきていること
2. 超高齢化により、年金の財源不足が懸念されていること
3. 退職金制度の変更や、非正規雇用の拡大などで、十分な退職金を得ることが出来ない人が増えていること
つまり、社会全体で老後の資金不足が問題であり、個人でも老後のための備えをする必要があると言われるようになったのです。寿命が伸びて長生きできるようになった分、老後の生活でやりたいことのための資金は、十分に準備しておきたいところです。
基本的には、老後の資金は積立てによって準備をしていきますが、退職時までに積立てできる金額には限度があります。退職金や年金だけに頼り切ることなく、自分で準備していくためにも、足りない分を投資による利益でカバーしたい。これが、今「投資が重要である」と言われている理由の一つです。
しかしながら、「投資」はリスクがあるため、元本割れする可能性があることを理解した上で、はじめなければなりません。正しいやり方を理解するためには、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめいたします。
NISAとはどういう意味?
そもそもNISAとは、どのような制度なのでしょうか?
「投資が必要」と言われても、
「どのようにしたら良いのかわからない」
「手数料がかかる」
「元本割れの可能性があるから怖い」
「利益を得ても税金がかかる」
などの理由で、まだ投資を始めていない人も多いことでしょう。
そこで、投資を始めやすいように国が準備した制度が「NISA」制度です。「NISA」制度は、2014年から始まった「少額投資非課税制度」のこと。特定の条件を満たす日本国内の個人が、一定額までの範囲で、非課税で資産を運用できるようにすることにより、投資を始めやすくする効果が期待されています。
具体的には、証券会社や銀行などの金融機関で「NISA口座」を開設して、その口座内で投資信託や株式などの金融商品を取引します。
NISAは、「Nippon Individual Savings Account」の略語です。これは、イギリスのISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにした日本版ISAであるため、「NISA」という愛称がついています。モデルになっているISAも、利益に対して非課税である口座です。
なぜ国は、NISAを拡充し投資を促進しようとしているのでしょうか?
資産形成の促進
NISAは、一定の制度内で、特定の金融商品に対する税制優遇を受けられることで、個人が将来の資産形成に向けて積極的に投資することを促進します。これにより、個人が老後の生活や将来のニーズに備えるための資産を築くことが期待されます。
資本市場の活性化
NISAを通じて、個人が資産を運用することで、資本市場において個人投資家の参加が増加し、市場の活性化が期待されます。これは企業の成長を促進し、経済全体の健全な発展に寄与する可能性があります。
個人も企業も、日本経済も潤うことを期待しての今回のNISAの拡充であると言えるのです。
NISAの特徴
NISAの主な特徴は、以下のとおりです。
・NISAは「少額投資非課税制度」であるため、「NISA口座」で運用して得た利益(運用益や譲渡益)には税金がかかりません。このため、「NISA口座」のみ一定の範囲内で資産運用している場合、税金の源泉徴収や確定申告が不要であることから、使い勝手の良い口座です。
・NISA口座は、一人あたり一口座しか持つことは出来ません。そのため、複数の金融機関で口座を開設することは出来ません。
・NISAは非課税であることが特徴である反面、万一損失が出た時に、他の口座と損益通算することが出来ません。
・18歳未満の人は、利用することが出来ません。(2024年からの制度)
・一般的には「非課税枠」と言われていますが、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」があり、NISA口座で1年間に投資できる金額は「成長投資枠」が240万円まで。「つみたて投資枠」が120万円までの合計360万円の限度があります。また、非課税保有限度額は通算で1,800万円までとなっており、そのうち「成長投資枠」は1200万円までとなっています。(2024年からの制度)
・売却することで生じた非課税枠は、再度限度額まで枠の再利用により投資することが出来ます。
<図表1>2024年からのNISA
まとめ
今回は、いま話題の「NISA」について基本的なことを解説しましたが、いかがだったでしょうか? 話題に乗じて始めることは悪いことではありませんが、なぜ投資をするのか? 何の目的でするのか? NISAとはどのような制度なのか? をしっかり把握してから始めることをおすすめします。
資産運用や投資のアドバイスは、今や銀行などの金融機関の窓口でもさかんに行なわれています。同時に、インターネット上でもYouTubeやSNSを通じて色々な人がそれぞれの立場から投資術などを発信しています。しかし、それらのアドバイスは本当にあなた自身に適したものなのでしょうか?
さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)
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