ライターI(以下I):『どうする家康』第36回に豊臣秀吉(演・ムロツヨシ)の側室茶々が登場しました。演じたのはお市の方役だった北川景子さん。茶々役がいつまで経ってもアナウンスされなかったので、うすうす予想していた視聴者もいたようですが、まさかのサプライズでした。
編集者A(以下A):本編でも指摘しましたが(https://serai.jp/hobby/1153837)、オープニングのクレジットで名前が出てしまったのは「壮大なるネタばらし」でした(笑)。今後、徳川と豊臣の攻防が始まりますが、茶々は「豊臣のトップ」として家康(演・松本潤)と対峙することになります。
I:火縄銃を手にしてぶっ放すというインパクトのある登場で、お市の方の雰囲気とはガラッと変わっていましたね。さて、お市の方と茶々の二役を演じることになった北川景子さんからコメントが寄せられました。
もともと、お市役と同時に、茶々役のオファーもいただいていました。最初は、一人二役だと見ている方を混乱させてしまわないかと不安も大きかったのですが、お引き受けすると決めたからには、しっかりと演じ分けたいと思いました。声の出し方や表情の作り方はもちろん、かつらの形や衣装も相談させてもらって、扮装の力も借りながら、お市とはまた違う、強さや危うさを併せ持った人にできればと思っていました。皆さんの期待に応えられるような茶々を作りあげていきたいですし、『どうする家康』のラスボスのようなキャラターなので、遠慮せずに最後まで暴れ抜いてみようと思っています。ぜひ、楽しみにしていてください。
A:最初から二役でのオファーだったんですね。
I:さすが、情報管理は徹底していますね。
A:「強さと危うさを併せ持った人にできれば」という北川さんの思いは、今回第36回のラストに登場した茶々の様子から、しっかり伝わってきましたね。
I:私が気になったのは「ラスボスのようなキャラクター」という箇所ですね。つまり、最終盤まで茶々と家康が絡んでくるということですね。
A:たくさんの側室がいながら、長い間実子に恵まれなかった秀吉もすでに50歳を過ぎています。茶々を側室に迎えて、ようやく実子が誕生するわけです。そのことによって少なからぬ人たちの人生が流転していきますし、秀吉との間に男子を設けたことで、茶々が権勢を握ることになる。
I:戦国の終焉に向けた人間ドラマですね。どういう演出で視聴者を楽しませてくれるのか? 北川景子さんの演技ともども注目ですね。
●編集者A:月刊『サライ』元編集者(現・書籍編集)。歴史作家・安部龍太郎氏の『日本はこうしてつくられた3 徳川家康 戦国争乱と王道政治』などを担当。『信長全史』を編集した際に、採算を無視して信長、秀吉、家康を中心に戦国関連の史跡をまとめて取材した。
●ライターI:三河生まれの文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。『サライ』2023年2月号 徳川家康特集の取材・執筆も担当。好きな戦国史跡は「一乗谷朝倉氏遺跡」。猫が好き。
構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり