ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第89回のテーマは、「吐き気を抑える『柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)』の飲み方」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。
柴胡桂枝湯とは?
柴胡桂枝湯は、「小柴胡湯(しょうさいことう)」と「桂枝湯(けいしとう)」という漢方の基本処方を組み合わせた漢方薬です。セリ科のミシマサイコの根や、サトイモ科のカラスビシャクの塊茎など、9種類の生薬を組み合わせています。
柴胡桂枝湯の効能・効果や基本の飲み方を解説します。
1.効能・効果
柴胡桂枝湯は、体の熱をとり、炎症や痛みを和らげる効能があります。長引いた風邪や、吐き気、胃腸炎に対して主に用いられます。胃潰瘍や胆石、肝炎といった消化器系の不調に使用されることも多く、用途が広い漢方薬です。
2.基本の飲み方
柴胡桂枝湯は、食前(食事の約30分前)、もしくは食間(食後約2時間後の空腹時)に水またはぬるま湯で服用します。
決められた用法用量は守り、正しく服用することが大切です。飲み忘れた際は気付いた時点で1回分を飲み、次の服用までは、1日3回の場合は4時間以上、1日2回の場合は6時間以上空けてください。2回分以上をまとめて服用するのは避けましょう。
柴胡桂枝湯はどんな人におすすめ?
ここからは、柴胡桂枝湯がおすすめな人や、具体的な悩みを3つ挙げ、なぜ効果的なのかも含めて解説します。
1.吐き気や腹痛症状がある人
柴胡桂枝湯は、吐き気や腹痛などの症状が目立つ場合に有効です。胃腸薬としても知られていて、消化管活動を正常にし、下痢や胃腸炎、胃痛、胃もたれなどの症状を改善します。
2.風邪をこじらせた人
柴胡桂枝湯は、風邪の中期以降、発症してから2~3日経っても症状が改善せず、発熱や悪寒、体の痛みなどが残っている場合に向いています。柴胡桂枝湯は熱を発散させ、痛みをとり、胃腸のはたらきを正常にして生命エネルギーを増やす効能があり、風邪などの病気に抵抗する力を高めます。
柴胡桂枝湯に副作用はある? 安心して服用するには
漢方薬は西洋薬に比べると副作用のリスクが少ないといわれますが、副作用がまったく起きないわけではありません。たとえば、柴胡桂枝湯には下痢、蕁麻疹、膀胱炎などの副作用が起きる可能性があります。
また、稀ではあるものの、間質性肺炎や、偽アルドステロン症などの重大な副作用が起きるリスクがあります。もし柴胡桂枝湯を服用して体調に異変を感じた場合は、ただちに病院(内科)を受診してください。
漢方薬は、体質との相性がとても大事です。体に合わない漢方薬をいくら使い続けても、不調が改善されるどころか、悪化してしまう可能性があります。漢方の知識を持っている専門家に相談するのが大事です。
最近は、あんしん漢方という、オンラインで利用できる漢方薬サービスが注目を集めています。医学✕薬学✕科学がタッグを組み、症状の緩和と根本改善を目指せる画期的なサービスです。医療チームとAIが患者に最適な漢方薬を導き出してくれます。
定期的な体質や症状のチェックもあるので、日々の体調の変化に応じた適切な漢方薬の処方を行ってくれます。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0165
柴胡桂枝湯は効能が幅広い便利な漢方薬
柴胡桂枝湯は吐き気、腹痛症状のほか、長引いてしまった風邪、胃腸炎、神経症などにも適している漢方薬です。胃腸のはたらきを改善して生命エネルギーを増幅させることにより、病気に打ち勝つ抵抗力も高めてくれます。
さて、次回のテーマは「甘草湯(かんぞうとう)」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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