【友人という病】「ハワイ旅行で壊れた学生時代からの友情…」バブルの東京を生きた“アラ還”女子の40年後～その２～

大手旅行代理店JTBは、2023年夏休み（7月15日～8月31日）の旅行動向を発表。国内と海外をあわせた総旅行人数は7370万人（前年比17.8%増、2019年比3.3%減）と推計した。

海外旅行人数は120万人で、前年比114.3％増、2019年比60.4％減。海外旅行消費額は2019年比60.6％減の2772億円だ。円安、物価高、政情不安などから二の足を踏んでいることがわかる。

智子さん（60歳・会社員）は、子供を産まず仕事を続けてきた。経済的にも余裕があり、「やっと海外に行けると、弓子（60歳）を誘ったのに、最悪だった」と語る。智子さんと弓子さんはコロナ禍に再会した短大の同級生だという。この4年間、ずっと友情を温めてきたのに、いったい何があったのだろうか。

【これまでの経緯は前編で】

仕事は裏切らない、短大卒業後、キャリアに邁進

智子さんは短大卒業後、大手百貨店に正社員として入る。最初は受付だったが、キャリアを求め「営業に回りたい」と上司に交渉。法人営業部に配属になり、頭角を現す。

「といっても、パパのお友達ばかり。“どうせだから、ウチのお中元はトモちゃんに頼んであげる”と、何千万円分もの契約をゴンゴンもらうようになったのよ。それも楽しかったけど、私の実力ではない。これが途方もなく不安になり、会社の助成金を使って、当時珍しかったマーケティングの学校に行ったの。そしたら、これが面白いのなんのって。でも、マーケティング部の立ち上げを提案したら時期尚早と言われてしまい、転職したのよ」

それから、コロナ禍まで走りっぱなしの人生だった。恋愛はたくさんしたが、結婚まではいかなかった。それは、父親のような男性がいなかったから。

「学生時代にさんざん、お金がある男とは遊んだ。お金って何とでもなるのよ。国のために、人々のために働く男性がいいの。結婚も決まって、お互いの親に挨拶をしたことだってあったんだけど、マイホームとか貯金とか言われると、げんなり。こっちから断ってしまい、婚約破棄の慰謝料として、私が200万円を払ったこともあるのよ」

大局を見て仕事をしていれば、金は稼げる。40歳のときに都内にマンションを購入。そして熱海にマンションを買い、趣味のゴルフも絶好調。独身の友達にも恵まれて、毎日を楽しく過ごしていた。

「それでコロナよ。登録しっぱなしで放置していたFacebookを開いたら、何百通とメッセージがあり、そこには高校の同級生からのZOOM飲み会の誘いがあったの。そこで弓子に再会。いろいろあったけど懐かしくて、飲み会はほったらかしにして、電話してずっと話していた。弓子は“40年も経てば、姉妹も笑い話ね”って。私も笑っちゃったわよ。そういう軽妙な弓子が好きだった。それでリアルに会うことにしたのよ。そしたら弓子はすごいスポーツカーでウチに来るの。なんと、ご主人を亡くしたばかりで莫大な遺産があるって。息子さんも独立して悠々自適という。ゴルフも好きだと言うから、コロナ禍のとき、ガラガラのゴルフ場を巡り、2人でボールを打ちまくったわけ」

若々しく魅力的な女子が、素晴らしい腕前でホールを回る。男性からもナンパされたという。

「男はもうこりごりだし、卵巣がんで摘出手術をしてから、そんな気にはならないの。でも弓子はそうでもなかったみたいね。でもまあ、コロナが開けたらハワイでゴルフしようと、2人で国内のゴルフ場に行ったり、旅行したり、楽しんでいたわけ」

【ギャングか宗教家かハワイでバカにされる異装…………次のページに続きます】