「おまけ」「ふろく」は年代を問わず魅力的な言葉です。それがどんなに小さいものでも、なぜかワクワクします。ご褒美感があるからかもしれません。そして、その時代に何がみんなの「お気に入り」であったのかが分かるのもふろくやおまけです。
県立神奈川近代文学館の「『おまけ』と『ふろく』展―子どもの夢の小宇宙―」はそんなワクワク心をそそる展覧会です。(7月29日~9月24日)
本展の見どころを、県立神奈川近代文学館の展示課、秋元薫さんにうかがいました。
「お菓子のおまけと雑誌のふろくは、子どもの身近にあるささやかな宝物です。1922年(大正11)に発売したおもちゃ付きのグリコによって、お菓子のおまけは広く浸透しました。金属製のグリコのバッジは、評判となった初期のおもちゃです。グリコのおもちゃは、時代によって素材やデザイン、大きさなどが変化しながら現在まで続いています。
一方のふろくは明治・大正時代の子ども向け雑誌に付いた双六や組立式の紙のおもちゃが起源です。昭和初期には「少年倶楽部」に子どもの背丈を超えるほどの大型組立ふろくが付いて話題を集め、他誌にも同様のふろくが現れました。
こうした大型組立ふろくは戦後に再び登場します。東京タワーは高さ150cmもある貯金箱で、学習の要素を備えた学年誌らしい組立ふろくです。
本展では主に明治時代から昭和50年代までのおまけとふろくを展観します。時代順に並んだおまけとふろくを通じて、そこに映し出された子どもたちを取り巻く流行や世相の変化をぜひ感じ取ってください。」
懐かしいだけではない、世相の変遷が分かる展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。
【開催要項】
「おまけ」と「ふろく」展―子どもの夢の小宇宙―
会期:2023年7月29日(土)~9月24日(日)
会場:神奈川近代文学館第2展示室
住所:神奈川県横浜市中区山手町110 港の見える丘公園内
電話:045・622・6666
公式サイト:https://www.kanabun.or.jp/
開館時間:9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし9月18日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝