伝統柄をモダンに昇華させた甲州印伝の小粋なポシェット
山梨県甲府市に本店を持つ「印傳屋」は、441年前にこの地で生まれた甲州印伝の老舗だ。武田家に武具職人として仕えた遠祖・上原勇七は、武田家が滅びた天正10(1582)年以降に甲府城下へ移り、印傳屋を創業。武具の素材であった鹿革に漆付けを施す独自の技法を考案し、甲州印伝の礎を築いた。家長は代々「勇七」を襲名し、創業時から口伝で受け継がれる技法で現代の生活になじむ品を製作している。
本品は、鹿革に柄の型紙を被せ、上から白漆を刷り込むことで文様を描く漆付け技法を採用。加えて、黒革の「そよか」の七宝柄は、顔料を用いる更紗技法を組み合わせた複雑な技法で作られる。
「漆の立体感を均一に出すには、鹿革の厚みのムラを手の感触で見極め、漆を刷り込む力加減を調整する必要があります。これには職人の経験と勘が不可欠です」と、専務取締役の上原伊三男さん。
いずれもファスナー付きの主室に牛革の外ポケットを備えたシンプルな作り。長さ調節が可能な牛革の肩紐付きで、スマートフォン以外にも現金やカード、鍵など貴重品を肌身離さず持ち歩ける。
長寿を意味する「菱菊」と、幸せや良縁を運ぶ七宝をあしらった「そよか」の2種類を用意した。時を超えて進化したその様は唯一無二で、粋な雰囲気を醸す。
【今日の逸品】
スマホポシェット
印傳屋上原勇七
15,400円~(消費税込み)