腰や脚の痛みがなかなか良くならない……、その背景には筋力低下があります。
お尻の筋肉を鍛えることで腰痛や坐骨神経痛の改善に期待ができます。
その方法を解説します。
お尻の筋肉(大殿筋)は骨盤や腰を安定させる
腰や脚の痛みやしびれがなかなか良くならない場合、その背景にはたいてい筋力や体力の低下があります。
腹筋や背筋、殿筋群などの筋力が衰えると、腰や骨盤を支える力が弱くなり、腰痛や坐骨神経痛がおこりやすくなってしまいます。
とくに大殿筋は、骨盤や股関節の運動や安定に非常に大事な筋肉です。
大殿筋は、お尻の大きな丸みをつくる筋肉で、骨盤から大腿骨につながっています。
大殿筋は、股関節を伸展させる主動作筋として働きます。これは脚を後ろに持ち上げたり、歩いたり走ったりする時の蹴るような動作の時に働く、ということです。
直立歩行に重要な役割を果たす筋で、ヒトは特に発達しています。
つまり、人類はこの筋肉が発達したことにより直立二足歩行が可能となり、文明を発達させることができた、といっても過言ではありません。
しかし、現代生活では歩く機会が減り、座っている時間が長くなったため、大殿筋が弱くなる傾向にあります。
すると、歩行や直立姿勢をしっかり支えられなくなってしまったり、支えるために他の腰や脚の筋肉に負担がかかってしまったりします。
それが長期にわたって続くと、腰や脚の痛みがおこりやすくなってしまうのです。
大殿筋のトレーニング
大殿筋の筋力を回復強化することは、腰痛の改善や慢性化の予防に期待ができます。
大殿筋のトレーニングにはさまざまな方法がありますが、筆者の腰痛トレーニング研究所(https://www.re-studio.jp/)では、まずヒップリフトのトレーニングをおすすめしています。
以下を参考にして取り組んでみてください。
お尻を上げていく時に、お尻の筋肉を締めるように力を入れます。お尻の割れ目を力を込めて閉じるような感覚です。
また、この時に脚や腰や背中の力はできるだけ抜いて、お尻の力をしっかり使うようにしてください。
最初に膝を曲げて仰向けになる時に、踵の位置をできるだけお尻に近づけた方が殿筋に力が入りやすくなります。
このトレーニングをおこなうことで痛みが出る、または痛みのためにこのトレーニング自体ができないようでしたらやめてください。
この記事があなたの腰や脚の痛みを改善する一助になりましたら幸いです。
また以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
朝起きる時の腰の痛みの原因と改善方法【川口陽海の腰痛改善教室 第107回】(https://serai.jp/health/1113964)
腰痛改善には必須! 体幹インナーマッスルトレーニングとは?【川口陽海の腰痛改善教室 第104回】(https://serai.jp/health/1106038)
腰痛や坐骨神経痛の原因にもなる「トリガーポイント」とは?【川口陽海の腰痛改善教室 第103回】(https://serai.jp/health/1104848)
腰・お尻・太ももの裏|痛む部位別におこなう腰痛・坐骨神経痛改善ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第100回】(https://serai.jp/health/1096269)
これだけでOK! 背骨矯正<大の字ストレッチ>で慢性腰痛を改善【川口陽海の腰痛改善教室 第97回】(https://serai.jp/health/1089887)
拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。
文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html