字画も少なく、しょっちゅう目にする簡単な漢字。読めそうなのに、いざ声に出して読もうとすると、正しく読めるかどうか心配になって、思わず声を細めてしまう漢字ってありませんか?
サライ世代ともなりますと、いったん思い込み認知をしておりますと、なかなかイニシャライズ(初期化)が難しいですよね。簡単な漢字であっても、脳トレ漢字の動画を見ながら確認学習をしていただくことで、思い込み認知をイニシャライズできる機会になると思います。
「脳トレ漢字」第114回は、「円やか」をご紹介します。「〇〇やか」と読むこの言葉、聞いたことはあっても漢字でどう書くかは知らないという方も少なくありません。
この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「円やか」はなんと読む?
「円やか」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「えんやか」ではなく……
正解は……
「まろやか」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「形がまるいさま、まるまるとしているさま」または「口あたりが柔らかいさま、味が穏やかなさま」と説明されています。まるみのある様子や穏やかさを表す形容動詞です。例えば、「こくのある円やかな酒」「口当たりが円やか」といった使い方が挙げられます。
「円やか」の漢字の由来とは?
「円やか」を構成する漢字を詳細に見ていきましょう。「円」は「お金」でなく「まるいこと」を意味します。同じ「まる」でも「丸」とは何が違うのでしょうか? 「円」と「丸」はどちらも「物の形などの角がなく、外縁のどの部分も中心から同じ距離にある形をしている」という意味を持っています。
そのうち「丸(まる)」はボールや果物など球体のような形をしているものや状態を指す字であり、「円(まる)」は物体が円形のような形をしている状態を表す字です。
また、「円やか」における「~やか」は、いかにも「~である」「~のような感じがする」ことを意味する接尾語です。そのため「円のようである」ことを「円やか」と表現します。
「円」の読み方 「円か」?「円ら」?
「円(まろ)やか」の他にも「円」には少し読みづらい訓読みがあります。例えば「円か」と書く場合の読み方は、「円(まど)か」です。こちらも「円やか」同様、「まるいさま、穏やかなさま」を指します。
さらに「円ら」と書いて「円(つぶ)ら」という読み方も。こちらは「まるくて、かわいらしい」という意味です。「円らな瞳」といった言い回しで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
いずれも「まるさ」を表現する言葉ですが、送り仮名一つで、読み方がガラッと変わります。
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いかがでしたか? 今回の「円やか」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 普段何気なく使っている言葉も漢字での表記を知ると、新たな発見に繋がったり、言葉への理解が深まったりするのではないでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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