取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った涼子さん(仮名・39歳)は職場で出会った男性と30歳のときに結婚。プロポーズは涼子さんからだった。
「シングルのままでいたくなかった。もちろん、誰でもいいわけではなく夫と結婚したかったというのもあります。3年ぐらい前からずっと結婚したくて、相手からのプロポーズしてもらう夢はかなわなかったけど、返事だとしても『結婚しよう』の言葉は嬉しかったです。バツイチなことを後出しされても気にならないほどに」
子どもを作る話から、親の借金問題が発覚!
結婚を機に父親とも和解。それには夫の協力が大きかったという。結婚式も両家参加で無事行われ、結婚して3年ほど関係は良好そのもの。その関係を壊したのは、夫の「子どもが欲しい」という言葉だった。
「私も子どもが欲しかったので、子どもがどうかで揉めたわけではありません。結婚してからも共働きだったので財布は別々で毎月決まった額を共通の口座に入れて、そこから生活費を捻出していました。他は自由なお金なんですが、お互いそんなに贅沢をするようなタイプではなく、貯金していると思っていたんです。同じ職場の同僚なのでお給料の額もそんなに変わりはないだろうし。
でも、夫は義実家に毎月10万円も渡していて、貯金はほぼない状態でした。さらに義両親は昔持ち家だったらしいのですが、それを借金で手放し、それもあって自分の子どもたちの近くで暮らしているということもわかりました」
実家の借金、そして報告もなしにお金を渡していることも許せなかったが、それよりも許せなかったのは頑なに借金額を言わなかったこと。家族として認めてもらえていないとみじめな気持ちになった。
「『家族のことだから』と何度聞いても教えてくれませんでした。私も家族じゃないんですかね! あまりにしつこく聞くと『お前に迷惑はかけてないだろう』とバッサリ。子どもが欲しいと言ってきてくれたから私が働けなくなっても大丈夫なんだろうなって思っていたのに、実際は見切り発車。それで思わず『子どもなんていらない』と言ってしまいました」
【親孝行の名目でお金を払い続ける夫。 次ページに続きます】