長引くコロナ禍の影響もあり、知らず知らずのうちにストレスや疲れを溜め込み、安眠できないという方が増えているそうです。そこで、チャンネル登録者数170万人を誇る人気ヨガYouTubeチャンネル「B-life」のまりこさんが提案する「寝落ちヨガ」をご紹介します。
「寝落ちヨガ」は、お風呂から上がって、リラックスできる服装に着替えて、ベッドや布団の上であとは寝るだけの状態で行いましょう。眠くなったら、そのまま寝てしまって大丈夫です。
文/B-life 写真/五十嵐美弥
胸を開いて呼吸を深めれば、脳までスッキリ
職場での人間関係、パートナーや子ども、親などの家族関係、コロナ禍による環境の変化などで、私たちの心や体には知らず知らずのうちにストレスがたまっています。もちろん私も例外ではありません。
ストレスがたまると、体がこわばり、背中は丸まりがち。うつむきがちになるので、首もこりやすく、体に不調が出やすくなります。
そこで、ここでは胸を開いて呼吸を深めるポーズを中心にご紹介します。呼吸が深まれば、全身の血流がよくなり、脳までスッキリ。そうすると、心に抱えたモヤモヤやイライラ、焦り、不安といったネガティブな感情が自然に消えていきます。ぐっと胸を開くと前向きな気持ちになるので、ウツウツとした気分からも抜け出しやすくなるでしょう。下を向くポーズもまた、内側に意識が向きやすく、副交感神経が優位に働きます。
胸を大きく開くポーズは「ハーフサドル」です。ストレスによる不調が出やすい内臓の機能をととのえる効果も期待できます。
「ハーフシューレース」、「ガス抜きのポーズ」は、リラックス効果抜群。乱れがちな自律神経のバランスを調節します。首こりや目の疲れを感じたら「首ストレッチと頭ツボ押し」を試してみましょう。脳がスッキリして思考がクリアになります。
ストレスがたまっているときは、心も体もいっぱいいっぱいで、ストレスがたまっていることにすら気づけません。ですから、いざ体を動かしてほぐすと、心の緊張もほどけて、いろいろとゆるみます。これらのヨガをしたあとに「涙が出てきました」という人が多いのも納得ですね。
ゆっくり心を鎮めるポーズ「ハーフシューレース」
両足のひざを重ねて体を前に倒すポーズ。下を向いてゆっくり呼吸するので、副交感神経を優位にします。足裏も伸びるので、足の冷えやむくみの改善も期待できます。
《期待できる効果》
◎ 骨盤のゆがみ調整
◎ 腰痛の緩和や改善
◎ 足裏の柔軟性を高める
◎ 股関節まわりを刺激
◎ 内臓機能を高める
1.座って足を伸ばす。もう片方の足のひざを曲げて、伸ばした足に重ねる。背筋はまっすぐ。
2.ひざをひとつに重ねたまま前に体を倒す。ひじは床につける。反対側も行う。
【ハーフシューレースの強度を下げた行い方】
1.ひざを折りたたんで重ねるのがきつい人は、足を前に伸ばして重ねる。
2.全身の力を抜くイメージで前屈する。ひじはつきやすいところにつければOK。
胃の不快感がスッキリするポーズ「ハーフサドル」
ももの前側を伸ばして、胃の経絡(けいらく)を刺激することで、胃腸の不調をととのえます。胃にたまりやすい、ストレスや悩みなど、ネガティブな感情も手放せるはず。
《期待できる効果》
◎ 消化機能を高める
◎ 足の疲れをとる
◎ 骨盤のゆがみ調整
◎ 呼吸機能を高める
◎ストレス解消
1.座った姿勢で片方の足を前に伸ばし、もう片方の足は折り曲げて、おしりの外側に出す。
2.足首は伸ばしたまま、あおむけになり呼吸しながら前ももを伸ばす。腰が反る場合は、背中の後ろにクッションを敷く
3.手は自然な位置でOK。上に上げると、胸が広がり、よりリラックス感が高まる。
腸を刺激して便秘解消「ガス抜きのポーズ」
《期待できる効果》
◎ 内臓機能を高める
◎ 便秘解消
◎ 腰痛緩和
◎ リラックス効果
1.あおむけに寝て、両方のひざを両手で抱きかかえる。このまましっかりと腹式呼吸をする。
2.ももをおなかにつけて、呼吸に意識を向ける。左右に揺らして腰まわりの緊張を抜くのも◎。
ひざを抱きかかえることで、腸を刺激し、たまっているガスの排出や便秘の解消を促します。ゆったりとリラックスできる姿勢なので、自律神経をととのえる働きも。
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『寝る前10分 魔法の寝落ちヨガ』(B-life 著)
小学館
B-life(ビーライフ)
インストラクターのMarikoと夫のTomoyaが運営するYouTubeチャンネル。2016年4月から活動をスタート。Marikoのわかりやすい指導と視聴者のニーズに合わせたきめ細かいプログラム、Tomoyaが作るクオリティの高い映像が評判を呼び、2022年7月にはチャンネル登録者数170万人を突破。日本で一番人気のあるヨガYouTuberに。著書に『自律神経みるみる整う 魔法のヨガ』『みるみる美ボディ 魔法のピラティス』(ともに実業之日本社)、『B-life Marikoの最強!美腹筋トレーニング』(扶桑社)など。