取材・文/ふじのあやこ
厚生労働省が発表した「令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)」では、2020年度の婚姻件数は 52万5490組、離婚件数は19万3251組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。
「恋人と別れたのも、元夫との再婚を決めたのも私自身です。愛情はなくなってしまったけれど、それには利点もありました」と語るのは、和香子さん(仮名・38歳)。元夫と離婚して約8年後に再婚に至った。
家族仲も良く、姉は憧れの存在だった
和香子さんは千葉県出身で、両親と6歳上に姉のいる4人家族。和香子さん曰く、「どこにでもいるような普通の家族」とのこと。
「両親の仲もそれなりに良くて、家族仲も普通。特に他人と比べて自分の家族について嫌だとか、みんなよりもずっと幸せだとかは思ったことありません。大型連休には家族で出掛けたり、休みの日には家族でよく外食していた思い出が残っています。
父はお酒もギャンブルもやらないような真面目な人で、家には犬がいたんですが、仔犬の頃は会社や学校に行く前に父と朝の散歩をさせるのが日課でした。中学で部活の朝練が始まってから私は参加しなくなったんですが、父はつよし(犬の名前)が亡くなるまでずっと続けていました」
年の離れた姉との仲は特に良く、先に美容師になった姉を追いかけて美容師を目指すように。姉が勤める美容院の近くの美容院に就職して、結婚するまでは都内で2人暮らしをしていた。
「姉は綺麗で仕事もできて、私の憧れでした。6つも離れているとあんまりケンカもなくて、よく小さい頃から姉の美容の実験台になっていましたね。姉はませていて、子どもの頃からおしゃれやお化粧などに興味がすごくあって、私もその影響を受けて美容師を目指すようになりました。私のほうが早く挫折してしまいましたけどね」
【妊娠太りをからかう夫に対して、臭いと罵る妻。次ページに続きます】