妊娠太りをからかう夫に対して、臭いと罵る妻
元夫との出会いは高校時代。友人だった2人は卒業とともに彼氏彼女の関係になり、22歳のときに結婚することになる。22歳同士の結婚を急いだのは相手だった。
「高校の卒業式のときに告白をされて、彼はデザイン系の専門学校に進学して、私は美容師になるための専門学校へと別々だったんですが、家も近かったから付き合ってからは毎日一緒にいました。お互いの実家に行き来していたから親も公認でしたね。
結婚はお互い就職して会えない時間が増えていく中で、『一緒に暮らそう』から『一緒に暮らすなら結婚しよう』に変わって、もうとんとん拍子に。就職してからは姉と都内で暮らしていたので、私の中でも姉と離れてまで同棲はしたくないというのがあり、それなら結婚かなと思って。周囲からはまったく反対されることなく、付き合っていた4年弱の間にお互いの両親と仲良くなっていたのが効きましたね」
結婚して4か月ほどで和香子さんは妊娠。悪阻の影響もあり、美容師の仕事を続けることができず3年弱でやめることに。無事出産するも、妊娠太りで体重はプラス13キロとなり、そこから容姿を元夫や義母からからかわれることが増えていった。そのストレスから体重増加が止まらなかったという。
「食べづわりと言うんでしょうか。私はグミを常備して、起きている間はこまめにずっと食べていないと気持ち悪くなる感じでした。
その後、無事子どもが生まれたのですが、子どもを産んだはずなのに体重は2キロほどしか落ちなくて……。子育てに追われていた間も体はつらいのに体重はまったく落ちない。そんな私の姿を見て、夫からは『女を捨ててる』と言われていました。冗談っぽく笑いながらなんですが、義実家でも同じことを言われて、それに義母も『和香子さんだけ晩ご飯はいらないかしら』と。今振り返るとですけど、この頃から少しずつ夫婦仲は傾いていきました」
離婚に至ったのはその4年後の28歳になる直前で、子どもは4歳弱だった。離婚理由は「性格の不一致」。まだ20代だったものの、家で受けるおばさん扱いに限界が来て、ケンカの毎日になってしまっていた。
「セックスレスは出産直後からです。求めてもこないし、私も触れたいという気持ちもなかった。相手が『面積が大きい』とか『部屋が狭い』と私が太っていることをからかうと、私も相手の体臭をオーバーに気にして、『なんか部屋が臭い』とか言ってしまったり……。最後の1年は毎日離婚したいと思っていました」
子どもの親権は和香子さんに。子どもが会いたがったことで定期的に元夫とは連絡を取り合う中、子どもを失うかもしれない事態になり……。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。