歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、歳相応に物知りなどと思われたりして……。うっかり漢字の読み方なんか間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをするなんてこともあるかもしれません。
脳の方は、若い時のようにパッパと記憶中枢からひっぱり出せなくなってきているかもしれませんが、「歳をとってきちゃって、なかなか思い出せなくて……」なんて言い訳をするようでは、サライ世代の沽券に関わる?
そんなことにならないように、動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。
「脳トレ漢字」第80回は、「柔和」をご紹介します。「柔和な性格」「柔和な物腰」などのように用いられます。
この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「柔和」はなんと読む?
「柔和」という漢字、読み方に心当たりはありますか? つい「じゅうわ」と読んでしまいそうですが……
正解は……
「にゅうわ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「性質や態度が、ものやわらかであること。また、そのさま」と説明されています。「柔和」は、主に人の性質や性格、言動に関して使う言葉です。そのため、身体の柔らかさを表す際には適しません。
「柔和」の「柔」の字は、「柔軟」「柔道」「懐柔」など「じゅう」と読むものがほとんどです。そのため「柔和(じゅうわ)」と誤読してしまいがちですので、注意が必要です。
「柔和」の漢字の由来とは?
「柔和」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「柔」は「やわらかい、やさしい」という意味を、「和」は「なごやか、おだやか」という意味を含んでいます。つまり、「柔和」は「柔」と「和」という同じ意味の言葉を重ねて強調した語句だということです。
「柔」を使った難読漢字「柔手」
「柔和」の他にも「柔」を使った難読漢字「柔手」を紹介します。「柔手」という漢字、読み方に心当たりはありますか?
正解は「にこで」です。「柔手」とは漢字の通り「やわらかい手、やさしい手」のことを指します。日本語には、柔らかいものや細かいものを指す「にこ(柔/和)」という表現があります。同様に「和手」と書いても「にこで」と読みます。
「柔手」を「じゅうて」や「やわて」と誤読しないように注意しましょう。
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いかがでしたか? 今回の「柔和」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 漢字一字でも様々な読み方をするのが日本語の難しさであり、面白さでもあります。脳トレ漢字を通じて、言葉の美しい響きを味わってみてはいかがでしょうか。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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