皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家がわかりやすく解説します。 第3回のテーマは、「漢方薬の正しい飲み方」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、篠原明宏さんに教えていただきました。
漢方薬の上手な飲み方
漢方薬は、正しい方法で服用することが大事です。間違った飲み方を続けていると、本来の効果が出ないことがあります。
漢方薬は水または白湯で飲みましょう。「~湯」という名前がつく場合、白湯に溶かした方が本来の服用方法に近いのですが、十分量の水で服用しても白湯とほぼ同じ効果が得られます。
飲むタイミングとしては、胃の中に何も入っていない状態が適切です。「食前」、「食間」がこれにあたります。「食前」とは食事の30分~1時間前、「食間」とは食後2~3時間後、「食後」は食後30分後くらいまでの胃の中に食べ物がある状態を指します。とくに間違えやすいのが「食間」で、「食事中に一緒に飲む」と勘違いしている方も多いので注意しましょう。
また、胃腸の弱い方に関しては、「食後」に飲むことを推奨する医師もいます。もし疑問がある場合は、漢方薬に詳しい医師や薬剤師にご相談ください。
漢方薬を飲みやすくする方法
漢方薬の服用は水や白湯が基本ですが、漢方薬を飲みやすくするコツはあります。例えば、流動性をアップさせる服薬ゼリーは、飲み込む際のストレスを軽減します。
また、オブラートに包む方法もあります。オブラートはデンプンを糊化したもので、半透明の薄い膜です。こちらのほうが飲みやすいという方もいます。
先に水を口に含み、後で漢方薬を口に入れるという方法や、お湯に溶かして飲むという方法もあります。少しの工夫で飲みやすくなるので、ぜひ試してみてください。
漢方薬の飲み方 Q&A
ここからは、Q&A方式で漢方薬の飲み方を解説します。誰もが疑問に思っていることから意外なポイント、気になる副作用など、8項目に分けてみていきましょう。
1.お茶やジュースなど水以外の飲み物で飲んでもいい?
「お茶やジュースのほうが飲みやすい」という方もいますが、お茶やジュースは薬の吸収率や効果に影響を及ぼす場合があるので、水、または白湯が最適とされます。
また、漢方薬はただ苦いだけでなく、その苦味には胃の働きを促進させる役割があるので、そういった意味でも水や白湯で飲んだほうが効果が出やすくなります。
2.飲み忘れたときは、2回分を1度に飲んでも大丈夫?
漢方薬は用法・用量によって効果が強く出すぎることがあります。処方された用法・用量を適切に守り、飲み忘れたからといって1度に2回分を飲むことは控えてください。1日2回飲む漢方薬の場合は、できるだけ6時間程度の間隔を空けましょう。
3.ほかの薬といっしょに飲んでもいい?
漢方薬とほかの薬とを併用する場合、薬の効果が増し、相互作用という現象が起きる場合があります。効きすぎたり、逆に効かない場合があるので、必ず医師や薬剤師に相談してください。漢方薬と西洋薬を併用すること自体は悪いことではなく、互いの長所を活かして両方が処方されることもありますが、自己判断での併用は避けましょう。
4.いつまで飲み続ける?
自覚症状がなくなった段階で服用をやめてください。症状によっては1~2週間で効果が出る場合もありますし、逆に3か月以上の長期に渡る場合もあります。どこでやめるか判断に迷う場合は、処方してもらった医師や薬剤師にご相談ください。
5.妊娠中・授乳中・子どもの服用は問題ない?
妊娠中のからだは様々な影響を受けやすく、デリケートです。漢方薬に限らず、薬を服用する際は必ずかかりつけの医師へ相談しましょう。授乳中も同様で、とくに生後2か月以内の赤ちゃんは内臓機能が未熟なため、副作用を起こす可能性があります。
幼児期・学童期の子どもの服用も、用法用量を適切に守る必要があります。また、「漢方薬は飲みにくい」という先入観を与えないよう、飲みやすさを意識して、甘いものと一緒に飲むなどの工夫をしましょう。
6.エキス剤と煎じ薬の違いは?
漢方薬には「エキス剤」と「煎じ薬」があり、それぞれ特徴も異なります。
エキス剤は一般的に医療現場で多く使われています。大量に煎じた薬を濃縮、乾燥、粉末化したものです。携帯しやすい、煮出すなどの手間がかからない、均一の効果が期待できるなどがメリットとして挙げられます。
一方、煎じ薬とは、刻んだ生薬を調合して数十分かけて煮出し、抽出したものです。人それぞれの症状に適した生薬を選び、配合を調整できるのが特徴です。ご自身で煎じて飲むぶん手間がかかり、携帯には向きません。また、生薬の仕入れによって、効果にバラツキがある場合もあります。
それぞれのメリットとデメリットを把握したうえで、使い分けましょう。
7.漢方薬の正しい保管方法は?
漢方薬にとって湿気は厳禁です。湿度の高い場所で保管すると、品質が変わってしまい、虫やカビが繁殖することもあります。
高温多湿を避け、涼しいところに保管してください。また、誤用の可能性があるので他の容器への入れ替えはなるべく避けましょう。どうしても入れ替えたい場合には、ラベルなどでしっかり管理しましょう。
冷蔵庫で管理する場合、湿度が高い野菜室は避けてください。
8.西洋薬に比べて、副作用が少ないって本当?
漢方薬は西洋薬に比べると効き目が穏やかで緩やかなものが多く、一般的には副作用が少ないといわれます。しかし、まったく副作用がないというわけではなく生薬によってはむくみなどの副作用を起こすこともあります。
漢方薬はそれぞれの方の体に合わせて、正しく服用することが大事です。自分で判断するのではなく、確かな漢方の知識を持った医師や薬剤師に相談しましょう。
体質からの改善をめざす漢方薬は、適切な服用を行えば、とても心強い味方になってくれます。
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漢方薬は自分に合ったものを正しく服用することが大事
漢方薬は、体に合った適切なものを適切な量服用することで、初めて本来の効果を発揮します。
漢方のプロである医師や薬剤師のサポートのもと、正しく服用しましょう。今回紹介した漢方薬の飲み方のコツも、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事を書いた人>
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0078