取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った瞳さん(仮名・34歳)は28歳のときに結婚、現在は旦那さまと子どもとの三人暮らしをしています。夫のある思考とそれに同調する義母に苦しめられていると訴えます。

「夫の歪んだ思考は結婚すれば落ち着くと思っていました。しかし、それは親譲りだったみたいで、義母は過去のことをまるで武勇伝のように私に言ってくるのです」

期待されることを諦めてからは親に嘘をつき続けた

瞳さんは埼玉県出身で、両親と、4歳上と2歳上に兄のいる5人家族。「女の子だから」という理由で小さい頃は自由に過ごせたものの、兄たちとの差に悩んだこともあったと当時を振り返ります。

「父親は女の子は可愛ければいいという考えで、悪く言うと男尊女卑の考えを持つ人。家のことを手伝ってと母親が言ってくるのもいつも私だけ。勉強も極端に悪くなければ叱られることはなかったです。兄たちは叱られていたのがどこか羨ましかったのを覚えています。そんな2人を見て、勉強を頑張った時期もありました。中学1年のときには英語で1位をとったことだってあるんです。両親はそのときには褒めてくれたけれど、次の試験の結果は聞きもされませんでした。ここまで期待されてないのかってわかると勉強するのも空しくなって、そこからは真ん中を目指して悪目立ちしないことだけを心がけました」

高校、短大時代は友だちや恋愛など勉強以外のことに注力していたそう。遊びたいがために親に上手に嘘がつけるようになったのだとか。

「高校では部活もしないで放課後はずっと遊んでいました。一応親には部活に入っていると嘘をついて、バレないように1年ごとに別の部に所属できる制度を勝手に作って、卒業アルバムの撮影のときはどこにも所属していなかったと嘘を重ねました。

短大でも卒業できるギリギリの単位だけ取得して、課題が多く友人の家で泊まり込みで勉強すると嘘をついて彼氏の家に入り浸っていたり、夜通し遊んでいたり。よく危ない目に遭わなかったなって思うようなことばかりをしていました。最初の頃は信じてくれる親に対して罪悪感もあったんですけど、どんどん麻痺していっちゃって、まさに息を吐くように嘘がつけるようになっていました(苦笑)。それが自分の娘に遺伝していると思うとゾっとしますね…」

【化粧、服装にまで口出しする彼氏は夫になっても変わらなかった。次ページに続きます】

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