■何故に、“光陰矢の如し”となるのか?
時間に長いも短いもないはずなのですが、年を追うごとに一年の経つのがやけに早く感じるようになります。ほんの数日前に年が改まったかと思っていたら、もう桜の季節も終り夏がそこまできております。
何で、こんなに一年が経つのが速いのか? いつ頃から、こんなに時間が経つのが速くなってしまったのだろうか? とつい考え込んでしまいます。
こうした年長者特有の心理的時間の長さの変化を「ジャネーの法則」というそうです。難しい解説は別にお譲りすることとして、最大の原因は子供の時と大人とでは物事に対する感受性の違いにあるようでございます。
要するに“わくわく感”が衰えてくると、時間の経過がどんどん早まるそうです。その“わくわく感”の衰え度を、簡単にチェックする方法があるのでご紹介しておきましょう。
それでは、ご質問です。
「先週、どんな事をしましたか?」
「昨年は、どんな出来事がありましたか?」
“わくわく感”の高い人ほど、過去の出来事を沢山お話しできるそうです。是非、試してみてください。
“わくわく、ドキドキ”することと“若さ”には、深い因果関係があるそうなのですが、若さを保つ秘訣でもある“わくわく感”は、どうすれば維持することができるのでしょうか? ある学者の研究によれば「若い人と一緒に行動すると、感受性(わくわく、ドキドキ)が刺激される」とのことです。
今回ご紹介する“渋沢栄一 心のことば”にも大きなヒントが隠されているような気がいたします。実際に、彼は91歳と長寿でありましたから、天寿を全うする直前まで、心の深い処に“わくわく感”を持ち続けていたのでしょうね。
■渋沢栄一の心を読み解く
この言葉の意図するところは……
日々起こる、世の中の様々な出来事や、新しいモノに
興味や関心を持てば、日々の生活も新鮮で面白いと思える。
しかし、毎日の生活を形式的に捉え、作業のように繰り返しているようであれば
気持ちが乏しく(痩せて、衰えるように)なってくる。
何事も、新たな気持ちで臨むように心掛けることが大切です。
※言葉の解釈は、あくまでも編集部における独自の解釈です。
■渋沢栄一、ゆかりの地「日本煉瓦製造株式会社旧煉瓦製造施設」
第二回の「渋沢栄一、ゆかりの地」は、渋沢栄一が上敷免村(現深谷市上敷免)に作った工場の跡に残る「日本煉瓦製造株式会社旧煉瓦製造施設」をご紹介します。
栄一は、近代化によるレンガ需要の増加に応えるため、大量生産が可能な工場を自分の故郷の近くに設立しました。ここで作られたレンガは、初代東京駅丸の内駅舎や現迎賓館赤坂離宮などに使用されており、日本の近代化に大きく寄与しました。現在、旧煉瓦製造施設は国重要文化財に指定されています。
近代建築とそれに付随するレンガ製造。そうした「新しいものに興味や関心を持つ」という栄一の生き方が、彼に優れた先見の明を与えたのでしょう。
日本の近代建築を支えた工場を通して、渋沢栄一が感じた“わくわく”を味わってみられてはいかがでしょうか?
日本煉瓦製造株式会社旧煉瓦製造施設
住所:埼玉県深谷市上敷免28-10
アクセス:JR深谷駅から車で13分
開館時間:9~16時(入場は~15時30分)
開館日:土曜日・日曜日(年末年始をのぞく)
入館料:無料
※ホフマン輪窯6号窯は、保存修理工事中のため2021年現在は見学できません。工事終了は令和6年(2024年)頃の予定です。煉瓦史料館は通常通り公開しています。
肖像画/もぱ(京都メディアライン)
文・構成・アニメーション:貝阿彌俊彦・豊田莉子(京都メディアライン)
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