正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識“は確かでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれませんね。
「脳トレ漢字」第18回目は、「陥穽」をご紹介します。戦略や政策などの講じられた策に深く関係する言葉です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「陥穽」はなんと読む?
「陥穽」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 文語的で硬いイメージなので、頻繁に見聞きする言葉ではないかもしれません……
正解は……
「かんせい」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「動物などを落ち込ませる、おとしあな」と「人をおとしいれる策略、わな」という二つの意味で説明されています。NHK大河ドラマ「麒麟がくる」では、様々な歴史上の人物の策略が絡み合っています。そうした様子を、「陥穽に落ちる」「陥穽にかかる」などと表現することができますね。
また、「陥穽」の類義語としては、画策・謀略・罠・トラップ・計略などが挙げられます。このような言葉の方が日常的に用いるため、イメージがしやすいですね。続いて「陥穽」の漢字の由来についてご説明をいたしましょう。
■「陥穽」の漢字の由来とは?
「陥穽」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「陥」という字は、落ちて入り込むことや人をおとしいれることを意味します。「穽」という字は落とし穴そのものを指す言葉です。つまり、「陥穽」とは漢字の意味通り、人を陥れる穴=策略ということを表しています。
■「陥穽」の反対「穽陥」の意味は……?
「陥穽」の二つの漢字を逆にした「穽陥」(せいかん)という語も存在します。「穽陥」は「おとし穴」という意味の言葉です。「陥穽」そのものも、古い文体では「落とし穴」と読む場合があります。「陥穽」も「穽陥」も似た意味もしくは同じ意味を持っている言葉なので、混乱しないように注意が必要ですね。
***
いかがでしたか? 今回の「陥穽」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 悪口の応酬が続いている、アメリカ大統領選でもお互いを陥れようとする様子がうかがえます。そんな「陥穽」に惑わされず、正否を見極める力が必要だと感じさせられますね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/